2017/01/30

【建築文化保存】「建物の価値を長く保つような古び方」を作品から紹介 原田真宏、麻魚両氏が講演


 日本建築文化保存協会は25日、東京都品川区の寺田倉庫本社ビルで建築家の原田真宏、麻魚両氏(ともにMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)を招いて講演会を開いた=写真。建築模型の価値と可能性をテーマに据えた連続講演会の第7回となる。

 「『在り方』をデザインする」と題した講演では、2人の出会いや事務所設立までのエピソードも交えながら、デビュー作の『XXXX』から最近作の『道の駅ましこ』に至る一連の作品を紹介した。
 この中では「空間を構成するとともに、存在をどう構築していくか。その両方があって建築となる」(真宏氏)、「建物の価値を長く保つような古び方ができないか。そのためにモノそのものが持つ良さを尊重するような素材の扱い方を考えている」(麻魚氏)といった考え方や姿勢とともに、巨大なH鋼をログハウスのように組み立てた『Log-H』や、厚さ210mm、梁せい2100mmの国内最大となる大断面集成材でフレームを組むことで剛接合の新しい木造形式をつくりだした『立山の家』、住宅用サイズの集成材をマフラーのように編み込んでカテナリー曲線を描く屋根を架構した『知立の寺子屋』など、自然科学に立脚した合理性を追求することで従来にない新しいデザインを生み出していることを説明した。
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