型枠大工として建築現場で活躍する本間由美さん。2014年に川元工務店(埼玉県所沢市、川元義之社長)に入社した。「もともと職人に興味を持っていた」ことと「手に職をつけたい」と言う思いと「体を動かすのが好きだった」ことが型枠大工を目指した動機だという。
入社後、加工場で型枠の加工を経験した後、現場へ。いま4現場目で叩いている。1月25日には型枠大工技能検定(制作等作業試験)2級を受検した。「負けたくない」という思いから「7、8回は練習して、試験に臨んだ」というように努力家だ。
型枠大工の仕事の魅力に「建て込んだものにコンクリートが入って、形になったものを見ると達成感がある。加工でも、自分のつくったものができあがり、その山ができると達成感とやりがいがある。やった仕事が見えるのが快感だ」と話す。川元社長も「職人の魂を持っている」「職人の気持ちを備えている」と期待する。ただ、パネルで10㎏、サポートも11-12㎏と扱うものは重い。「体力的にはきつい。家に帰るとへとへとになっている」と本音も。
将来は「女性だけのグループを作りたい」と夢を語るも、「興味があっても、『重いでしょう』『ついていけないのでは』と、なかなかやりたいという人はいない」というのが悩み。
女性の入職には就労環境の整備も必要だ。「女性専用のトイレのある現場もあるが、男女共同の現場もある。更衣室のない現場もある」というように環境整備は十分とはいえない。さらに、「慣れてくるとセクハラに感じる会話も多くなる。それで辞める人もいるのでは」
技能検定2級を受験した |
また、母として働く本間さん。「保育園に7時に預けて、それから現場に行くので、6時の集合には間に合わない。また、渋滞で現場に到着する時間が遅れることもあったりする。社長が認めてくれているし、現場の人たちにも協力していただいています」というように、周りの理解とサポートが女性の就労には大事だ。「考慮してくれる会社であれば子育てしながら働ける」と強調する。
川元社長は「加工だけでなく、現場に出ることで現場の納まりを見て、将来は拾い出しをする仕事に就かせたいと考えている。そして、長く務めてもらいたい」と就労環境に配慮する。さらに「採用して将来がないようでは働く人にとってつまらない。生活できる収入を確保してやらなければならない。そうすることで若い人たちも頑張ってくれる」ことを強調。「仕事が丁寧なのは女性の良さ」とも。
また、「1人が1日20㎡叩くとすると、800㎏のものを扱い、10㎡で400㎏のものを扱う。しかも、下げ振りを見ながら、釘を打ち、建て込まないといけないので相当な負担がある。それだけに、仕事に見合う収入がなければならない。それが人の来ない要因でもある」と強調する。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿