23日に新潟市で開かれたi-Construction実践セミナーで、悪天候のため会場入りできなかった講演者の1人がICTを活用してトラブルを回避し、遠隔地に居ながら予定どおり講演を実現させるという一幕があった。
砂子組(北海道奈井江町)の真坂紀至ICT施工推進室長が乗った航空機は猛吹雪のため、新潟上空まで来て札幌に引き返した。しかし、会場には国交省のICT活用工事第1号を施工した同社の講演を心待ちにする受講者が250人。
そこで真坂氏や主催者は、会場にいた杉浦伸哉大林組情報技術推進課長らのアドバイスももらいながら、遠隔ICT講演に挑戦した。講演用スライドファイルを会場のパソコンにネット経由で共有。次にスマートフォンで真坂氏とビデオ通話をつなぎ、壇上で表示されるスライドの状況を伝え続ける。会場の助手が真坂氏の合図でスライドを進めながら、別のスマホで真坂氏の音声を会場の講演用スピーカーを通じて聴講者に伝えるというもので、真坂氏の声が30分間、朗々(ろうろう)と響きわたり講演は無事終了。
ICTを活用した機転の利いたトラブル脱出劇に会場は大うけ。参加者からは、「真坂氏は『ツール(ICT)は目的ではなく手段』『挑戦するからアイデアが生まれる』という自身の主張を実践してみせた」との声も。セミナーは日刊建設通信新聞社が主催していた。
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