新潟県建設業協会(植木義明会長)は、新潟大学のインターンシップ(就業体験)の一環として、同大経済学部の2年生が実施した「学生の建設業に対するイメージ調査」結果を発表した。建設業への理解は深まりつつある半面、就職先としての優先順位が極端に低いことが判明。積極的な広報活動を始めとする若手確保に関する機運の高まりを、いかにして入職につなげるか。担い手対策の推進に向け、次の課題が浮かび上がっている。
イメージ調査は16年11月に実施。ものづくりに関心がある同大学の工学部に限らず、経済、教育、法、人文、農、医、歯学部などの学生も対象とした。275人から回答を得た。1、2年生が全体の8割以上を占めている。
◆進路選択
進路選択では、やりがいや社内の雰囲気、福利厚生の充実、給与、休暇体系を重要視。具体的な就職希望は「公務員」が半数(137人)に上る。「教育・学習支援業」(70人)、「金融・保険業」(56人)、「サービス業」(47人)、「進学」(39人)、「情報・通信業」(37人)、「製造業」(23人)が続く中、「建設業」は2人(進路選択率0.7%)で最下位だった。
ただ、回答者の1割が過去に「建設業に就きたいと思ったことがある」ようで、動機として「ものづくりが好き」「マスコミの影響」「小さいころからのあこがれ」「地図に残る仕事」「親族が建設業に従事している」「災害経験」などを挙げている。
建設業への就職を考えてこなかった理由では、「自分に関係ない」「体力が必要」「3K(きつい・汚い・危険)」「女性がいなそう」「休みが少なそう」「給料が低そう」「将来性を感じない」などの意見が聞かれた。
◆業界の印象
業界の印象については「人の暮らしに必要」(127人)が最も多く、「クリエイティブ」「地域に貢献している」「達成感を味わえそう」「かっこいい」「身近な存在」との認識も示している。
一方、「3K」「怖い人が多い」「不祥事が多い」などネガティブな見方は依然として根強い。
建設業の使命、役割は約6割が「知っている」「少し知っている」と答えている。さらなる周知に向け、出前講座や大学の講義(単位化)、コマーシャル、現場見学会、インターンシップ、企業説明会などが有効と指摘している。
このほか、「両親が建設業に従事していた。私自身には(就職先の)選択肢としてあるが、さらに多くの人の選択肢になってほしい」「父の同僚が事故にあっているので、安全な現場環境が必要」「事務的な仕事も紹介してほしい」「キャッチーなデザインの建機や作業着などで堅いイメージが払拭できれば、面白いと思う」の声が寄せられた。
今回は、新潟大学の「企業課題探求型長期・有償型インターンシップ」を新潟建協が受け入れた。同インターンシップを実施した学生はイメージ調査の結果を踏まえ、業界が抱える課題への対策を提案している。
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