土木遺産シリーズ第5弾。これまで、ヨーロッパ、アジア、日本の土木遺産を紹介してきたが、紹介しきれなかったヨーロッパのバルカン・北欧地域と、古い歴史を持つ中東地域の土木遺産をまとめた。24の土木施設を取り上げている。
パート1では、ヨーロッパ編2バルカン地域として、コリントス運河(ギリシャ・コリントス、1893年完成)、オドンドトス(ギリシャ・ディアコフト~カラヴリタ、1896年開通)など4施設、パート2では同じく北欧地域としてニューハウン(デンマーク・コペンハーゲン、1673年完成)、ストックホルム(スウェーデン・ストックホルム、1252年ごろ建設開始)など10施設、パート3では、オリエント編として、ユーセフ運河(エジプト・ファイユーム、紀元前19世紀ごろ完成)、アレクサンドリア(エジプト・アレクサンドリア、紀元前332年建設開始)など10施設を掲載している。
施設の概要や建設された経緯、役割を写真だけでなく、断面図や概念図も使って分かりやすく説明している。日本の類似土木遺産、公共交通機関での行き方やおすすめの観光スポットなども紹介した。
巻頭には、吉村作治東日本国際大学長・早稲田大名誉教授、深見奈緒子日本学術振興会カイロ研究連絡センター長、樺山紘一印刷博物館長・東京大名誉教授による「文明の変遷を支えた人と技術」をテーマとしたてい談も掲載し、エジプト、ギリシャ、イスラムなどの文明から土木遺産の原点をたどっている。
(建設コンサルタンツ協会『Consultant』編集部編 ダイヤモンド社・2200円+税)
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