2017/01/18

【関東地整】カスリーン台風から70年 パネル展で防災避難を啓発


 関東地方整備局利根川上流河川事務所は、1947年9月のカスリーン台風から2017年で70年を迎えることから、地域の人々に水害の恐ろしさや防災避難の重要性を改めて認識してもらうため広報活動などに力を入れる。広報ツールとしてロゴマークとポスターを作成したほか、被害写真のパネル展を沿川市区町をリレー方式で回りながら開催する。

 同台風に伴う利根川や渡良瀬川の決壊などにより、関東地方では家屋の浸水約30万3160棟、家屋の倒壊・半壊3万1381棟、死者1100人の被害が出た。

カスリーン台風被害の概要(関東地方整備局利根川上流河川事務所資料より)

 これを受け52年には、堤防が決壊した埼玉県東村(現加須市)で第1回利根川水系連合・総合水防演習が実施され、第66回演習は5月中旬に県内の利根川河川敷で開かれる。同事務所は堤防が決壊した9月16日を治水の日と定め、1992年から毎年、式典を開催している。17年はカスリーン公園(加須市)で慰霊式典、パストラルかぞ(同)で継承式典を実施する。
 また、沿川自治体の小中学生を対象に「子ども研究・活動発表会」の壁新聞や作文、絵画を公募する。9月3-8日に学校単位で応募を受け付け、11月末に発表会・表彰式を開く。
 このほか、利根川上流域での効果的な広報や啓発活動を実施するため、同事務所と49市区町が意見交換・調整・情報共有する「利根川上流カスリーン台風70年実行委員会」も設立する。20日にパストラルかぞで初会合を開き、実施行事などについて話し合う。
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