全国児童生徒地図作品展連絡協議会(事務局・国土地理院)は全国各地で開催した地図に関する作品展「全国児童生徒地図優秀作品展」に推薦された作品の中から、特に優秀な2作品を選定。11日に東京・霞が関の国土交通省で、国土交通大臣賞に輝いた郡上市立三城小学校6年(岐阜県)の志津野礼奈さん=写真左=と、文部科学大臣賞のつくば市立竹園西小学校5年(茨城県)の小西菜月さんを表彰した。
受賞者に表彰状を直接、手渡した石井啓一国交相は実物を前に「どういうことをきっかけにこの作品を作ろうと思ったのか」「これだけ広いエリアをよく調べ上げたね」と感心しきりだった。
国土交通大臣賞を射止めた志津野礼奈さんの作品「立体地図で知ろう!郡上八幡の土砂災害危険箇所」は、立体地図による急傾斜の表現などに迫力がある点が評価された。
作品趣旨によると、「危険箇所はどこなのか、一目で分かる立体地図を作りたいと思った」とのこと。審査講評として「これだけの作品を作った努力を評価したい。砂防を主体に立体や危険地域の表現に工夫があり、縮尺も表現されている。本人が自ら現地調査を行い、写真も使い、危険箇所をまとめている。小学生だが、土木用語もよく調べているところもよかった」という。
一方、文部科学大臣賞に輝いた小西菜月さんの作品「マンホールに刻まれたつくば市の歴史」は、マンホールから市町村の合併という歴史に気づき、その過程を地図という形で表現している点がポイントになっている。自宅近くで見つけた「桜村」と書かれたマンホールを不思議に思ったことを出発点に調査を開始。「約30年前に桜村が他4町と合併してつくば市になったこと」「新旧たくさんのマンホールの模様から合併前の旧町村や筑波研究学園都市開発の歴史を知ることができた」とのこと。
「本人の『好き』が形になった作品。好きなものが形になるすばらしさを感じる」と高い評価を得ている。
この2作品を含む、全国各地の地図作品展の主催者から推薦された優秀作品は、2月にかけて茨城県つくば市にある国土地理院「地図と測量の科学館」などで展示される。
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