2015/10/22

【現場最前線】手延べ機での主桁送り出し、20分で到達! 仙台駅構内宮城野こ線橋改築西工区


 鉄建・安藤ハザマJVが施工を担当する「東北本線仙台駅構内宮城野こ線橋改築西工区」工事で21日深夜から22日未明にかけて、上り線主桁の送り出し作業が行われた。手延べ機を使った送り出し工法により、上空にある新幹線の高架橋と地上の在来線(東北本線・仙山線)の間を縫うように慎重に鋼製の主桁を移動させ、当初予定より早い約20分で、手延べ機が線路をまたいだ反対側の橋脚に到達した。現場では所員を含む34人が一丸となって作業に当たり、円滑で高精度な送り出しを実現した。

 主桁は終電後、午前1時43分に4台のモーターに押されて西側から東側方向にゆっくりと動き出し、2時8分に到達側の橋脚に手延べ機の先端が到達した。今回は手延べ機(長さ24m)と同機と主桁をつなぐ連結構(同6m)、主桁の一部(同約6m)の計36.3mを送り出した。
 長さ38.5m、幅17.15m、重さ250tの主桁は10月末に所定の位置まで送り出され、ジャッキダウンを経て11月中旬には架設作業が完了する。
 送り出した主桁は、西側の端部が先行して整備した下り線に干渉することを防ぐため、一部鋼材が欠けた状態でヤードに設置。送り出し作業に当たっては、左右のバランスをとるために34tのカウンターウエイトを乗せて慎重に移動させた。一部欠けた部分は22日に組み立て、主桁を完全な状態にする。

午前2時8分に到達

 手延べ機が到達するまでの時間は、当初予定していた30分を下回り、全体の工程も予定より20分短縮した。高橋雅治宮城野橋作業所長は、「7月からベントを組み立て、きょうの作業に当たった。3カ月間さまざまな準備をして無事に作業を終えることができてほっとしている」と胸をなでおろした。
 今後は主桁のジャッキダウンや冬場のコンクリート打設が控えており、「まだまだ気を抜けないが、最後の最後まで無事故・無災害を継続させたい」と気持ちを引き締める。
 工事は仙台市から東日本旅客鉄道(JR東日本)東北工事事務所が受託して発注。JR仙台駅の北側に位置し、東西方向を結ぶ宮城野橋は老朽化しているほか、片側1車線で慢性的な渋滞が発生していたことから拡幅し、架け替え後は片側3車線の車道と歩道が上下線に整備される。
 工事概要は、橋脚2基(上下線P3橋脚)の設置、合成床版桁橋の架設、134tの既存橋撤去など。工期は2016年5月末まで。
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