2015/10/07

【担い手育成】学校教育と現場のギャップが早期退職に? 新潟建協青年部と高校教員が意見交換


 新潟県内の建設系高校の教員と新潟県建設業協会青年部との意見交換会が6日、新潟市内で行われた=写真。学校側からは建設界への就職が順調に進んでいることが紹介される一方、離職問題も取り上げられ、学校でのカリキュラム内容と建設現場の実態がかけ離れていることが早期退職者を生み出す原因ではないかとの指摘があがった。

 建設界の人材問題について学校側からの呼び掛けで初めて開催された。県立新潟工業高校など5校から教員19人、青年部は12人が出席。最初に各学校が最近の就職状況について、求人の増加で建築・土木ともに6-8割の生徒が建設界に就職していることが紹介された。
 続いて行われた意見交換では、教員から「施工現場(の変化)に教員側もついていけない」「以前は学校でも型枠を組んだりする作業を実習していたが、今は決められたカリキュラムをこなすことで一杯」「現在の授業内容が現場の現状に合っていないのは事実だが、われわれも何を教えたらいいか見えない」といった声があがり、授業では教わらない施工管理の実態になじめないことが早期離職につながっているとの指摘があった。「景気動向に左右されずに一定の採用枠を継続してほしい。それが離職対策にもつながる」などの要望もあった。
 これを受け青年部からは「ギャップ解消」のため、「カリキュラムの内容やテキストを我われも見せていただき、現場と乖離している内容を検証する必要がある」「青年部会員の施工している現場にいつでも見学に来てほしい」などの提案が出された。「玉掛けの資格だけは持っておいてほしい」との要望もあった。
 今回の意見交換について新潟工業高校の本間裕明教諭は「貴重な意見をいただいた。今後も連絡を密にしていきたい」とし、青年部の大島正寛部会長も「教育界とスクラムを組み、担い手問題に取り組んでいきたい」と語った。
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