福岡労働局、福岡県、県工業高等学校長会と県内建設業団体などで構成する福岡県建設人材対策協議会(委員長・岩崎成敏福岡県建設業協会長)は22日、県内技術系高校教諭との意見交換会を開いた。建設業や教育現場の現状を把握するとともに現場見学のあり方などを議論し、今後も産学官の連携で入職促進や人材育成に取り組むことを確認した。
冒頭、あいさつした岩崎会長は「地域の建設業にできることは限られているが、学校で学んだ知識を生かし若者が建設業で活躍できる環境づくりに取り組みたい」とし、県工業高等学校長会の猿渡博司副会長は「学校内でも人口減や少子高齢化に直面し、業界と同じような課題を抱えている。現場の生の声を聞き、改めるところ、進んで取り組むべきことを学びたい」とした。
意見交換では、福岡県建設業協会が会員に実施した入職促進のアンケート結果を報告した。会員116社のうち84社が回答した。2016年4月採用は求人47社195人に対し、採用は36社128人。充足率が100%以上と回答した企業は15年の22社から、16年は17社と下がった。計画に対し採用者が少ない理由は「募集したが集まらない」が30社と最も多かった。17年4月の採用計画は57社211人となった。
現場体験の受入状況は、インターンシップが19社69人。現場見学が16社223人となった。今後、インターンシップを41社、現場見学を56社が受入可能と回答した。
教諭からは「就職率が100%でありながら、生徒の入校が減っている」「若い人のものづくり離れとともに、働くことへの切実さが足りない」「多能的な技能を求められるようになった。学校側も社会のニーズを精査する必要がある」といった工業高校全体の課題や、建設業関連では「女性をどのように市場に送り出すかが課題」「安定した産業だというイメージづくりが必要」「小中学校を対象にした現場見学も必要」といった意見が挙がった。また、インターンシップなどの現場体験の機会は有効として、今後も取り組みの強化を求めた。
地下鉄工事現場を見学 |
教諭からは休憩時間や現場内にある休憩所の設備など現場環境を中心に質問が挙がった。
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