広島県は、魅力ある建築物創造事業の一環として、クリエーティブな人材の育成、県内の建築学生定着などを目的とする「ひろしま建築学生チャレンジコンペ2016」をことしも開催する。対象建築物は県立広島工業高校の「野球部弓道部部室」。今回、初めて高校生にまで応募対象を広げる。テーマは「未来をつくる部室」。応募登録申請は8月26日まで、土木建築局営繕課(営繕企画グループ)で受け付ける。最優秀作品は、実際の公共施設として事業化するとともに、実施設計・工事監理に関わる機会を設け、実践現場を体感してもらう。
応募対象は、県内に所在する大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、高校の建築関連学科に在籍する学生(個人またはグループ)。応募登録後、8月29日から9月26日までの期間で提案作品の提出を求める。
1次審査で入選案5点を選定し、10月上旬に結果を公表する。11月6日に予定している公開審査(最終審査)で最優秀1点、優秀2点のほか、入選作品、審査委員長特別賞を数点選ぶ。
審査員は、「フラワーショップH」でグッドデザイン賞、JIA新人賞、BCS賞を受賞した建築家の乾久美子氏を委員長に、藤本寿徳(藤本寿徳建築設計事務所)、中薗哲也(ナフ・アーキテクト&デザイン、崇城大学准教授)、樽谷敏治(県教育委員会事務局管理部長)、宮地正人(県土木建築局建築技術部長)の各氏で構成する。
乾委員長は「部屋は未来をつくっている、そうした思いをもって、クリエーティブでかつ実現性のある建築を設計してください」とコメントを寄せている。
対象建築物「野球部弓道部部室」の設計条件は、「ライフサイクルコストへの配慮」「効率的な維持管理への配慮」を求めている。
敷地面積は5万9602㎡(広島市南区出汐2-4-75の県立広島工校内)。
既存の部室(木造平屋建て275㎡)を解体し、平屋建て170㎡程度(構造は指定なし)の規模で建て替える。
工事費は3500万円(税込み)以下とする。
チャレンジコンペは、2013年からスタートし、これまでに道の駅「ふぉレスト君田」駐車場トイレ、福山東警察署野上交番を完成させているほか、御幸広場トイレの工事を進めている(17年2月竣工)。
実際に建物が形になっていく過程に学生が関与することができ、実践教育の場として注目されている。
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