2015/08/07

【オートドアZero】電気不要の自動ドアを首都圏で9月から発売 有紀

建築資材の製造・販売を手掛ける有紀(本社・福島県会津若松市、橋本保社長)は、電気がいらない自動ドア「オートドアZero(ゼロ)」の販売活動を、9月をめどに首都圏でも始める。電気を使わないため、電気工事も電気代も不要で、停電時でも開閉できる。同社では3年後、首都圏での受注台数600台を目指す。

 利用者が踏み台に立った時の体重を利用する「自荷重式自動開閉装置」を採用。7月に特許を取得したことから、首都圏での販売活動に踏み切る。
 装置は、上部ユニット(吊りレールと制御装置)、建具ユニット(踏み板連結部)、下部ユニット(踏み板本体と制御装置)で構成しており、パンタグラフを組み込んだ踏み板に乗った際、体重によって踏み板が下がる力を利用する。
 踏み板内部には、押し下げピンと滑車で構成される「押し下げ棒」が固定されており、踏み板が下にさがる力を、押し下げ棒を介して、ドア本体に斜めに付けられているガイドレールに伝えることで横方向の力に変換。ドアが開くという仕組みだ。片引き戸なら、体重20㎏程度で開き始める。開閉速度は1秒間で20cmから30cm、手動での開閉も可能だ。
 ドアのタイプは片引き戸と引き分け戸の2種類、踏み板には車いす仕様も用意した。
 同社では、2009年に旧型の「オートドアZero」を開発・販売し、112台の納入実績を持つ。今回、この開閉機構の構成部材削減に成功。メンテナンス性が高まったことや低コスト化が図れたこと、電気を使わないため環境に優しいといったメリットがあるとして、首都圏市場に参入することにした。
 従来は、自社、ユアサ商事、ブラザーエンタープライズ、クリエイト、豊明、寺岡オートドアを主力とする販売代理店を通じて受注・生産・施工をワンストップで行ってきたが、今後は、山梨県を含む1都7県での販売代理店網を強化していく。将来的には海外にも打って出る考えで、その第1弾として6月1日付で台湾に事務所を開設した。
 機構部のみの価格は60万円。
 問い合わせは、同社・電話0242-39-2308。
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