2015/03/17

【マルチコプター】鳥瞰撮影も夜間巡回警備も! スタジアム建設現場で大活躍

竹中工務店が大阪府吹田市で施工中の「(仮称)吹田市立スタジアム」の現場で、マルチコプターが活躍している=写真。既に工事記録撮影や現場管理などを行っており、今後も大屋根設置後の管理などを担う。施設完成後の維持管理における使用も検討されている。

 マルチコプターは台湾製で、カメラなどのオプションを含む価格は1台約60万円。GPS(全地球測位システム)と4Kカメラを搭載しており、気象条件などに左右されるものの1-2㎞程度の連続航続が可能という。
 プライバシーや安全面の問題から都心部では使いにくいが、郊外型の大規模な案件については、他の現場でも活用していく考えだ。
 (仮称)吹田スタジアム作業所(中野達男総括作業所長)では、さまざまな省人化工法を採用しており、その一環として2014年3月にマルチコプターを試行導入。以来、改良を加えながらその活躍の場を広げ、今では日常管理業務の効率化に大きく貢献している。巨大なスタジアムを鳥瞰撮影できることやカメラの映像を操縦者が手元のモニターで確認できることを生かし、工事記録撮影や品質管理・安全管理で活用するほか、巡回ルートを記憶させて夜間巡回警備も行っている。
 さらに、トランシーバーを搭載することで作業員に注意事項などを伝達したり、営巣する鳥などを追い払うこともできるため、既に着手した大屋根設置工事でも積極的に活用していく。
 同スタジアムは4万人を収容できるサッカー専用スタジアムとして計画。規模はRC・S造6階建て延べ6万6355㎡。事業主体はサッカー界とガンバ大阪、関西財界で構成するスタジアム建設募金団体で、設計施工は竹中工務店、CM(コンストラクション・マネジメント)を安井建築設計事務所が担当している。
 工期は9月30日までで、現在は躯体工事がほぼ終了した段階だ。建設地は大阪府吹田市千里万博公園23-1。
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