2015/04/14

【働きかた】森ビルオフィス事業部・「女性が働きやすい街づくり検討会」の岩根奈美さん、宮地紋子さん

森ビルは、2013年夏に社内組織「女性が働きやすい街づくり検討会」を発足させた。営業本部オフィス事業部営業推進部企画グループの岩根奈美担当課長=写真右=と宮地紋子さんが中心となり、これまで働く母親が交流を図る「ワーキングマザーイベント」のほか、オフィステナント向けメールマガジンでのアンケート、オフィス共用部トイレ改修などに取り組んでいる。最終的には「すべての人がより働きやすいオフィス環境、街になることがゴール」(岩根さん)だ。

 岩根さんは02年に中途入社し、六本木ヒルズ開業準備室、メディア企画部を経て12年にオフィス事業部に異動した。7歳児の母親でもある。
 検討会の発足に当たっては、今後も複数の大規模ビル開発が計画され、そこで働く女性も増えることが予想される中、「女性に選ばれる、女性が働きやすいオフィスが、競争力強化につながるという仮説をたてた」とした上で、「そういうオフィスを増やすことで日本経済に貢献できるという社会的意義もある」と語る。
 現在、検討会のメンバーは女性8人。オフィスだけではなく、対象を街全体に広げるため、複数の部署から横断的に参加している。活動を通じ「社会も会社の意識も変わってきている」と実感。次に続く世代には「ワーキングマザーの存在を知ってもらう」ことで、仕事と育児は両立できるとエールを送る。
 05年入社の宮地さんは、09年に建築設計部から異動。3歳と1歳の2児の母親でもあり、ことし1月に2回目の育休から復帰した。
 1回目の育休明けに発足した検討会には立ち上げから携わっている。育休中は「今まで出会わなかった違う年齢、職業の“ママ友”ができたことが楽しかった」と振り返る。検討会のヒアリングでも「ワーキングマザー同士のつながりがほしかった」という声があり、ワーキングマザー交流イベントを企画、実現させた。
 自身の子どもには「働く背中を見せたい。働くことは楽しいと伝えることで、夫婦で働くことが普通の世の中になっていてほしい」と将来を見据える。
 オフィスのトイレ改修は、検討会が主催するワークショップで出た意見をもとに会社に提案して六本木ヒルズ森タワーの1カ所で実現した。女性トイレでは着替え・休憩対応のベンチスペースや、パウダーコーナー・小物入れスペースの設置、男女双方のトイレでは洗面カウンター下に荷物置き場をつくった。
 今後は、「女性だけではなく、配偶者の男性など家事や育児を担うビジネスパーソンまで対象を広げ、プロジェクトに生かしていきたい」(岩根さん)、「家と同じぐらい、長い時間を過ごすオフィスを快適にすることで、“ホーム”と感じられるようにしたい。オフィス側からも生活を支えたい」(宮地さん)とそれぞれ思いを語る。
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