社員数6人のサーフ・エンジニアリングがメンテナンス業界に新しい風を吹き込もうとしている。同社が開発した管外面検査用昇降ロボット『のぼるくん』が2月に開かれた、かながわビジネスオーディション(神奈川県、神奈川産業振興センターなどが主催)で最優秀の知事賞に選ばれた。シンプルな構造ながら、今までになかった発想と従業員の技術力を結集したロボットは、2016年後半の販売を目指している。
同製品は主に管などの筒型状物体(H形鋼等の部材にも応用可能)を上下左右に自動昇降・移動しながら外面を撮影し、インフラ施設の効率的な予防保全や緊急時の初動点検を実現する。検査対象物を覆うリング状の製品は、径約10-80cmの管に対応。既存の技術では難しかったアール状、でこぼこが多い管に対しても、ロボットと接触する部分の工夫や、「作用反作用の法則」をうまく取り入れることなどで、スムーズな動きと常に管と平行して進むことを可能にした。
開発は、現場にいた根本秀幸代表取締役に「管を点検する便利な機械はつくれないか」と声がかかったのがきっかけだった。「お客さんが困っていることを素早く改善したい」という思いや、東日本大震災を通じ、自分がかかわる業界で「想定外をなくしたい」との気持ちも重なり、専門的知識を持つ従業員と力を合わせて完成させた。電子制御部品を使わず、モーターの駆動原理だけで動くため「高放射線量や高熱・高湿など過酷な状況でも動くはず」と胸を張る。
完成は2013年12月で、その後約1年間は東京ガスの「輸送幹線パイプライン」を中心に52現場、総延長約2㎞で検査を繰り返し、精度を高めてきた。現場からは足場を組まずに検査できるため、「導入コストが安い」「検査スピードが速い」「人的な安全性が確保される」など高い評価を得たという。
既に核心技術について特許を取得するなど、販売に向けた準備を進めているが、根本代表取締役は、現状で満足することなくさらに改善し、より多くのインフラに対応することで「各業界のプラットフォームをつくりたい」と意気込む。4月には経済産業省などが実施する「福島浜通りロボット実証区域での実証技術の公募」への参加を決め、さまざまな種類のインフラに挑戦する。「いつかは原子力発電所の配管メンテナンスなどもやりたい」とアイデアは広がり続けている。
◇サーフ・エンジニアリング 神奈川県綾瀬市吉岡東3-10-3。電話0467-79-6506。
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同製品は主に管などの筒型状物体(H形鋼等の部材にも応用可能)を上下左右に自動昇降・移動しながら外面を撮影し、インフラ施設の効率的な予防保全や緊急時の初動点検を実現する。検査対象物を覆うリング状の製品は、径約10-80cmの管に対応。既存の技術では難しかったアール状、でこぼこが多い管に対しても、ロボットと接触する部分の工夫や、「作用反作用の法則」をうまく取り入れることなどで、スムーズな動きと常に管と平行して進むことを可能にした。
開発は、現場にいた根本秀幸代表取締役に「管を点検する便利な機械はつくれないか」と声がかかったのがきっかけだった。「お客さんが困っていることを素早く改善したい」という思いや、東日本大震災を通じ、自分がかかわる業界で「想定外をなくしたい」との気持ちも重なり、専門的知識を持つ従業員と力を合わせて完成させた。電子制御部品を使わず、モーターの駆動原理だけで動くため「高放射線量や高熱・高湿など過酷な状況でも動くはず」と胸を張る。
完成は2013年12月で、その後約1年間は東京ガスの「輸送幹線パイプライン」を中心に52現場、総延長約2㎞で検査を繰り返し、精度を高めてきた。現場からは足場を組まずに検査できるため、「導入コストが安い」「検査スピードが速い」「人的な安全性が確保される」など高い評価を得たという。
既に核心技術について特許を取得するなど、販売に向けた準備を進めているが、根本代表取締役は、現状で満足することなくさらに改善し、より多くのインフラに対応することで「各業界のプラットフォームをつくりたい」と意気込む。4月には経済産業省などが実施する「福島浜通りロボット実証区域での実証技術の公募」への参加を決め、さまざまな種類のインフラに挑戦する。「いつかは原子力発電所の配管メンテナンスなどもやりたい」とアイデアは広がり続けている。
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