2015/07/10

【広島県】「魅力ある建築物創造事業」に若手コンペ計画 学生コンペは7月末募集開始

広島県は、魅力ある建築物創造事業の新たな試みとして企画する若手コンペの開催に向け準備を進めている。昨年実施した学生コンペとの2本柱で同事業の目的であるクリエーティブな人材を育成する。7月末にも募集を開始する方針で、若手と学生それぞれのコンペ対象案件と募集要項が近く明らかになる見通しだ。若手コンペの対象については、比較的小規模な建築とする方針で、話題性や象徴性のあるプロジェクトを抽出する。20代、30代の県内若手建築家に対し、公共施設設計などの経験の場を提供する試みだ。画像は2014年度の学生コンペで最優秀となった広島工大の交番。

 一方、2013、14年度の2回の実績がある学生コンペも引き続き実施する。1回目は「道の駅・ふぉレスト君田駐車場トイレ」を対象に穴吹デザイン専門学校の生徒たちの共同作品、2回目は市営福山競馬場跡地に設置する「まちの交番-まちとつながり、人とつながる、まちの新しい交番」を対象に広島工大の学生たちの共同作品をそれぞれ最優秀に選定し、担当教授などの指導のもと、実際に実施設計と工事監理の監修を担った。
 魅力ある建築物創造事業では、県のブランドイメージを向上させるため、魅力ある公共建築物の創造・発信やクリエーティブな人材の育成を進めてきた。今回のコンペは、公共施設の設計などの実績が少なく、参加機会にも恵まれない若手建築家に経験を積むチャンスを与える試みとして注目されている。
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