2015/07/29

【漱石山房】記念館予定地から建物基礎発見! 本人が暮らした家ではないが…開館延期

東京都新宿区は、(仮称)「漱石山房」記念館の建設予定地から建物基礎が発見されたことを受け今後、文化財保護審議会での審議などを踏まえ、9月以降にスケジュールや計画などについての区の方針を決定する。

 区は、建設予定地(早稲田南町7)の区営早稲田南町第3アパート敷地内での埋蔵文化財試掘調査で、凝灰岩(房州石)で構成する建物基礎を発見した。同敷地は区指定史跡「夏目漱石終焉の地」であるため、開館日を延期することを6月25日に発表した。当初は16年10月の完成、夏目漱石生誕150周年となる17年2月の開館を目指していたが、6月25日付で、工事発注予定表から第1四半期に一般入札予定の建設工事、第2四半期に一般入札する予定の電気、機械、昇降機の各設備の計4件を削除した。
 同事業は漱石が晩年の9年間を過ごした早稲田南町の「漱石山房」を再現するもので、規模はRC造地下1階地上2階建て延べ約1250㎡を想定していた。
 建設設計はフォルムデザイン一央(武蔵野市)、展示設計は丹青社で担当。
 発見された建物基礎については、6月から7月に実施した文献調査、確認調査、学識経験者からの意見聴取などの結果、漱石が大正5(1916)年に亡くなるまで暮らした「漱石山房」ではなく、大正9(1920)年に鏡子夫人が建て替えた住宅の一部の可能性が高いとされた。理由は▽水回りと考えられる遺構が「漱石山房」としては広すぎる▽遺構全体が戦災時の焼土層の直下にあり直接戦災で焼けている▽切石に塗布されたモルタルが住宅建築では明治時代以降に使用された--ことが挙げられた。
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