2015/07/28

【京都縦貫道】南北100kmが全線開通! 京都市から北部までが1時間半でつながる

京都府の「悲願」であり、その実現が待ち望まれていた京都縦貫自動車道が18日に全線開通し、南北約100㎞の高速道路がようやく1本の道としてつながった。着工から34年の歳月を要した。25日には、谷垣禎一自民党幹事長や山田啓二京都府知事らの呼び掛けにより、京都市のホテルグランヴィア京都で全線開通を祝う集いが開かれ、総工費約9000億円、延べ労働者数700万人のビッグプロジェクトが完成した喜びを分かち合った。写真は大山崎JCT。

 祝う集いは、谷垣幹事長、山田知事、野中廣務元内閣官房長官、荒巻禎一前京都府知事、立石義雄京都府商工会議所連合会会長が発起人となり行った。

野中廣務元長官の発声で乾杯
あいさつで谷垣幹事長は、「道路は地方創生の取り組みを進める上で今後、最も基礎的な部分となる。この道路が地域の活性化に貢献できればうれしい」、山田知事は「京都では琵琶湖疏水以来の偉業となる大事業だと思っている。多くの夢を皆さんと分かち合いながら未来へ進んでいきたい」と述べた。
 来賓あいさつでは、森昌文近畿地方整備局長が、「安全で地域を元気にする道路が完成し、感無量の思いだ。京都を取り巻く道路状況は、まだミッシングリンクが多く残っており、今後もそれらの整備実現に努めていきたい」と意気込みを語った。
 京都縦貫自動車道は、宮津市今福と久御山町森を結ぶ延長約100㎞の自動車専用道路で、綾部宮津(延長23.4㎞)、丹波綾部(29.2㎞)、京都丹波(31.3㎞)、京都第二外環状道路(15.7㎞)の4つの道路で構成する高規格幹線道路。
 1981年に国道9号バイパス(当時の名称)として着工した。今回の開通区間は、丹波綾部道路のうち、京丹波わちIC(インターチェンジ)~丹波IC間の約19㎞となる。
 南北に長い京都府の地理的条件から、道路ができる前は北部地域から京都市まで自動車で3時間以上かかっていた。全線開通により所要時間は約半分の1時間30分に短縮された。府北中部と南部の地域間交流の促進が期待されており、広域観光や沿線市町村の地域活性化支援など、新しい活力を生み出す道路となる。
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