2015/07/25

【働きかた】目指せ! 女性社員倍増 先輩「チューター」配置で不安解消 村本建設

女性社員の確保育成に積極的に取り組み始めた村本建設。その数は現在全社員のうち1割弱にすぎないが、将来的には全体の2割以上まで増やしていくという。現場で働く女性社員の不安解消につなげようと相談役(チューター)を配置するなど、きめ細かな対応で意欲向上を図ろうと試みる。同社で働く20歳代の女性社員4人(森下智代さん、村田京子さん、東知美さん、上田優果さん)に話を聞いた。写真は前列左から森下さん、上田さん、東さん。後列右が村田さん、左は槌谷所長。

 東さんと上田さんは、ことし4月に入社したばかり。大阪・泉北ニュータウンの若松台地区で進む府営住宅の建て替え事業「堺若松台2丁第1期高層住宅」が研修の舞台となった。
 技術系の東さんは、大学修士の時インターンシップを経験したことをきっかけに入社。現場の印象について「もっと怖い人ばかりだと思っていた」と笑顔で話す。「男性に体力でかなわない分、気配りできるよう心掛けている。皆さんからできるだけ多くの知識と技術を吸収したい」と意気込む。
 総合職の上田さんは「文系から建設業に入るなんて、はじめは思いもよらなかった。仕事がかたちとして残ること、そしてたくさんの人たちに利用してもらえることに惹かれた」と志望の理由を説明する。秋まで現場に従事する東さんとは異なり、7月から大阪支店の管理部で研修中。「経験しなければ理解できなかったことを知る機会になった。これからの仕事にも役立つと思う」と振り返る。
 「これまでも女性社員の研修を担当してきたので、特別に意識はしていない」と同現場の槌谷義文工事所長は説明する。ただし女性専用の更衣室が設けられるなど、設備面の受け入れ体制はかなり整えられている印象だ。2人について「自分たちなりに考えて取り組んでくれている。新人ながらも現場の戦力になっている」と太鼓判を押す。
 2人の先輩社員である森下さんと村田さんにも話を聞く。同現場の原価管理を担当している村田さんは、2011年に入社。学生時代は「体育の先生になろうか」と教職課程も履修したが、会社説明会で興味を持って入社したのだとか。「1年目は人間関係を築くことで精一杯。でも新人のころ学んだ知識が今ようやく生かせるようになり、仕事が面白くなり始めた」と目を輝かせる。
 8年目の森下さんは設計室に所属。構造設計担当としての業務に加え「チューター」として、現場で働く女性社員の相談役も担当している。「2人と最初に面談したときはまだ緊張している感じだった。その次に会った時はうち解けていた」とほっとした様子。一方で「いま女性活用と言うが、わたしの周りにはまだ及んでいない。現場で働く女性をもっと増やしてほしい」と訴える。
 同社によると人材確保競争が厳しさを増す中、近年は女性技術者の採用を積極化させているという。「将来的には女性社員の数を全社員の20%以上にしたい」(前田和彦大阪支店管理部部長)考えだ。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿