2015/07/18

【紀勢自動車道】南紀田辺~南紀白浜ICの14km開通! 紀伊半島の「命の道」に

近畿地方整備局と和歌山県、西日本高速道路会社などは12日、同局が新直轄方式で建設を進めている紀勢自動車道(田辺~すさみ)のうち、南紀田辺IC(インターチェンジ)~南紀白浜IC間(延長14㎞)の開通式典を和歌山県上富田町の道の駅くちくまので開いた。災害時の復旧支援や代替機能を担う「命の道」として地域の安全・安心に大きな役割を果たす。観光レジャー活性化による地域経済の好循環も期待されている。

 式典の冒頭、主催者を代表して森昌文局長が「紀勢自動車道は、紀伊半島沿岸部の諸都市を結び、紀伊半島地域の交流促進や観光振興、産業の活性化、災害時の交通確保などに大きく貢献する道路だ。本日の部分開通で、紀伊半島地域の高速道路ネットワークに向けて一歩前進することができた。引き続き紀勢自動車道の全線開通を目指して事業を推進していきたい」と式辞を述べた。
 続いて、仁坂吉伸和歌山県知事が「開通に向けご尽力していただいた大勢の方々に感謝したい。和歌山の良いところを大いに宣伝できるチャンスが増えたと思っている。大規模な地震や津波が発生した場合の避難場所や救援隊を送る道として高速道路は絶対に必要だ。この道を使って、われわれの郷土が発展できるよう、皆さんとともに頑張っていきたい」とあいさつした。
 続いて来賓あいさつで、二階俊博衆院議員を始めとする地元選出の国会議員らが祝辞を寄せた。万歳三唱の後、餅つき・餅まきやテープカット、くす玉開き、通り初めなどの開通セレモニーを実施した=写真。
 紀勢自動車道(田辺~すさみ)は、近畿自動車道紀勢線の一部を担う延長38㎞の国土開発幹線自動車道。京阪神と紀伊半島の各都市を結び、輸送時間の短縮や一般道路の混雑緩和を図り、地域の産業や経済、文化、観光の振興発展に貢献することを目的としている。
 地域では南海トラフ巨大地震の発生が懸念されており、道路が整備されることで、紀伊半島の「くしの歯」の根元となり、災害時の迅速な救助・復旧活動を支援する。
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