2015/07/25

【ライカ・コベルコ建機】カーナビ感覚で情報化施工 深さと勾配だけを音声案内

 ライカジオシステムズとコベルコ建機は共同で、3tクラスのミニショベル向け2次元マシンガイダンス(2D-MG)システムを開発した。システムは「ホルナビ」と名付け、中小建設会社にはハードルが高かった情報化施工を、カーナビ感覚で使ってもらいたいとしている。従来の2D-MGからピッチ・ロールセンサーを除き、深さと勾配のガイダンスに特化することで、価格を大幅に縮減、導入しやすくしたのが特長だ。

 これまでにもミニショベルなどに取り付ける2D-MGは存在するが、今回の製品では、回転レーザー受光部や、機体の姿勢を感知するセンサーを省き、コントロールパネルもバケットの位置と設定深さなどを示すだけの単純なものにした。
 「これまで、価格面や機器の複雑さなどで導入の敷居が高いと感じていた中小建設会社にも、カーナビ感覚で導入してもらいたい」(ライカジオシステムズ)という。
 国土交通省なども、情報化施工の普及を進めているが、情報化機器のコストなどが、建設会社が購入する際の障壁となっている。両社は「今回は機体とセットで出荷するが、かなり安く導入できる」と話す。
 今回のシステムを搭載したミニショベルは、丁張りや水糸で位置出しは必要だが、バケットの先を水糸の位置で「ゼロセット」し、設計深さを設定すると、掘削が設定深さに達した時点で音が鳴り、オペレーターに知らせる。
 電線地中化などの小さなトレンチ掘削などでは、オペレーターが重機から降りたり、別に計測員が必要だった。今回のシステムでは、オペレーターが1人で設計どおりの深さに掘削できる。勾配もパネルの上下ボタンで設定すると、バケット位置が設計面より上か下かを光と音で知らせる。
 都市内での掘削施工では、既設埋設物などを傷つけないことが必要だが、埋設物がある深さや、上空の電線高さを設定すれば、ブザーが警告する。また、刃先の位置からの距離や深さを測定する機能も備えているので、出来形の簡単なチェックも可能だ。
 同社などは、小規模な土木工事や、建築工事の床付けや敷き均し、民間土木工事などへの活用も働き掛けていく。

Related Posts:

  • 【i-Construction】北海道開発局、推進本部立ち上げ ICTの全面的活用推進へ  北海道開発局は、建設現場の生産性向上を目的にi-Construction推進本部を立ち上げた。2日に会見し、本田幸一局長が明らかにした。  開発局長を本部長に、局内各部の部長級を中心とする幹部職員で構成する。今日出人事業振興部長を幹事長に各課の課長級で構成する推進幹事会や検討部会を設ける。 「ICT(情報通信技術)の全面的な活用」「規格の標準化」「施工時期の平準化」を柱に、測量・設計から施工・検査、維持管理・更新でICTを導入し、これら… Read More
  • 【関東地整】学生40人も参加! 最先端技術学ぶ情報化施工講習会 関東地方整備局は、千葉県船橋市の関東技術事務所船橋防災センターで、情報化施工の技術講習会と見学会を開いた=写真。16、17日の2日間で講習会に約70人、見学会に約140人が参加した。講習会は3回目だが、今回から大学生や高等専門学校生ら約40人も参加し、最先端の情報化施工を学んだ。  講習会では、土木施工技術者向けにトータルステーション(TS)による出来形管理技術や3次元マシンコントロール(MC)のブルドーザーと3次元マシンガイダンス(MG)… Read More
  • 【前川建設】兵庫県下の自治体発注で初 コマツのスマコンPC200iを現場導入  前川建設(兵庫県加古川市)は、兵庫県高砂市内で進めている法華山谷川水系法華山谷川河川改修工事(兵庫県発注)で、コマツの3次元マシンコントロール(MC)バックホウ「PC200i」を導入している。兵庫県下の自治体が発注した工事でのMC建機導入は今回が初めて。2月26日には県や周辺市町、近畿地方整備局などの職員を対象にした導入事例発表会を現地で開いた。  PC200iはGNSS(全地球測位システム)アンテナと基地局から得た刃先位置情報、施工設… Read More
  • 【ドローン展】模擬橋梁でインフラ点検デモも! 4/20-22@幕張メッセ  日本能率協会は、4月20日から22日までの3日間、千葉市の幕張メッセで、第2回国際ドローン展を開く。監視・点検や災害対応、計測・観測などドローン(無人航空機)の産業利用を対象に、ビジネスでの活用事例を紹介する。写真は多くの来場者でにぎわった昨年の展示会。  飛行デモンストレーションは、会場内で模擬橋梁を使ったインフラ点検、ジオラマを対象にした空撮測量による3次元マッピングを実施する。22日は、熊谷俊人千葉市長が「国家戦略特区 千葉市が目… Read More
  • 【岩崎フェア】i-con対応! ドローン測量実演も 4/14、15@札幌  岩崎(古口聡社長)は4月14、15の両日、札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで「第49回岩崎トータルソリューションフェア2016」を開催する。テーマは「インフラマネジメントにおける最先端技術の集結、創造し続ける建設業界を目指して」。今回はi-Construction(アイ・コンストラクション)への対応を視野に、ドローンなどのUAV(小型無人航空機)最新機種の実演・展示やMMS(移動体計測システム)の紹介を始め、CIM(コンストラク… Read More

0 コメント :

コメントを投稿