2015/07/10

【坂本龍馬記念館】新館は「蔵」をイメージ リニューアルの基本設計が明らかに

高知県は、坂本龍馬記念館リニューアルの基本設計を公表した。既存館は「日本から世界へ羽ばたく龍馬の精神」、新館は「蔵」をイメージし、「新たな時代の幕開けが迫る幕末の日本」をそれぞれ外観デザインの考え方とした。基本設計は、建築を石本建築事務所・ワークステーション・若竹まちづくり研究所JV、展示を丹青社がそれぞれ担当、実施設計も引き続き委託する方針だ。2015年度内に実施設計を進め、16年度の着工、17年度内の開館を目指す。画像は外観パース(左側が新館)。

 現在の坂本龍馬記念館(高知市浦戸城山830)を博物館機能を備えた施設にリニューアルする。新たに新館(RC造地下1階地上2階建て延べ1947㎡)を建設するほか、既存館(RC・S造地下1階地上2階建て延べ1940㎡)を改修する。
 新館は、来館者を迎え入れる大きな軒下空間と、やわらかい光で包まれたロビー空間を通して、貴重な歴史資料に触れ、龍馬を深く知る博物館として計画する。地下1階は美術品専用車の大きさに対応したトラックヤードを設ける。1階には受付やホール、管理部門を配置。2階は展示室と収蔵庫をコンパクトに1フロアにまとめた。新館では、外部負荷の抑制、十分な断熱性能、効率的な空調方式により、適切な室内環境となるように計画する。さらにランニングコストの低減やCO2の排出を削減し、環境に配慮した建築・構造・機械・電気設備とする。

南側からの鳥瞰図
既存館は、雄大な景観と多様な展示を楽しむ観光文化施設として計画する。地下1階は「幕末写真館」を基本コンセプトとした展示スペースを設ける。1階はミュージアムショップや図書コーナー、休憩室とするほか、中2階にカフェを配置。2階は「龍馬とあそぶ」をテーマとした展示スペースとし、天井や床材を取り替えるほか、一部を自動扉に替える。屋上には開放的なテラスを設置。新館、既存館ともにバリアフリー化を図り、双方をブリッジで結ぶ。
 当初計画では、新館整備の工事費は建築に15億円、展示に3億円、既存館改修は建築に4億円、展示に1億円を想定している。
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