東京都小金井市が玉川上水に建設を進めてきた人道橋「平右衛門橋」が開通した。国の史跡「玉川上水」と名勝「小金井サクラ」の指定地とあって、“史跡・名勝を見せる”とともにその価値を向上させるため、新たな鑑賞スポットとして架設した。国内でも例の少ないフィーレンデール橋で、「玉川上水に架かる橋は従来、その時代の最先端の技術を用いられていたことから、現代の最先端のもので、かつ史跡・名勝にふさわしいものというコンセプトのもと、この構造を採用した」(同市)。総工費は約6500万円。
7月31日に、現地で開いた開通式には、稲葉孝彦市長を始め、市議会議員、都議会議員、地元関係者ら多数が出席。稲葉市長は、「25年来の市民の悲願が結実したことを大変うれしく思っています。市民公募で選定した橋の名前は、武蔵野新田開発に尽力し、玉川上水堤にヤマザクラ並木を植樹した川崎平右衛門定孝に由来する。橋がある限り残る平右衛門の名前をより広めると同時に、この橋を小金井公園で楽しむために使っていただければ」とあいさつ。市長と人道橋検討委員会の座長を務めた産業考古学会の伊東孝会長や川崎家の子孫、近隣の保育園児がテープカットし、渡り初めを行い、完成を祝った。
同橋は長さ約12m、幅約4m。建設地は国の史跡に指定されていることから土手部分の掘り返しを極力抑えるなど多くの制約があり、文化庁や東京都と細かな協議が必要だった。同橋製作に携わった伊東会長は、橋梁構造について「4年間かけて検討した結果、史跡に優しいなどからフィーレンデール橋に決めた。川に架かる同橋は非常に珍しく、全国約70万橋あるうちの十数橋しかない。わが国においても珍しい橋である点に着目してほしい」と強調。高欄は斜め格子のデザインとし、江戸時代から流れる玉川上水と調和させている。広めの橋詰め広場に、袖高欄を挟んで設置した親柱は、ヤマザクラの幹をイメージした桜御影石を使った丸柱と、玉川上水の流れを表したねじりのある角柱を各2本ずつデザインしているという。
施工は関建設工業(小金井市)が担当した。工期は2014年11月から15年7月まで。建設地は、東京都立小金井公園に近い、同市緑町3丁目~関町1丁目。
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7月31日に、現地で開いた開通式には、稲葉孝彦市長を始め、市議会議員、都議会議員、地元関係者ら多数が出席。稲葉市長は、「25年来の市民の悲願が結実したことを大変うれしく思っています。市民公募で選定した橋の名前は、武蔵野新田開発に尽力し、玉川上水堤にヤマザクラ並木を植樹した川崎平右衛門定孝に由来する。橋がある限り残る平右衛門の名前をより広めると同時に、この橋を小金井公園で楽しむために使っていただければ」とあいさつ。市長と人道橋検討委員会の座長を務めた産業考古学会の伊東孝会長や川崎家の子孫、近隣の保育園児がテープカットし、渡り初めを行い、完成を祝った。
稲葉孝彦市長(右から2番目)、伊東孝会長(左端)、園児らがテープカット |
施工は関建設工業(小金井市)が担当した。工期は2014年11月から15年7月まで。建設地は、東京都立小金井公園に近い、同市緑町3丁目~関町1丁目。
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