2015/08/04

【高尾山】動植物の息づかいが聞こえる… 「高尾599ミュージアム」8/11オープン!! 

好奇心の入り口へ、ようこそ--。年間300万人の観光客が訪れ国内外から注目される高尾山の麓に、東京都八王子市が整備を進めていた複合施設「高尾599ミュージアム」が完成し、11日にオープンする。博物館や交流機能を持った高尾山の魅力を発信する観光施設で、展示物と映像・音楽を融合させた最新技術、プロジェクトションマッピングを導入し、自然の宝庫に生息する動物の息づかいを感じることができる。実施設計は東畑建築事務所が担当。建築は三友建設(同市)が施工した。総事業費は約14億円。

 同ミュージアムの「599(ゴーキュウキュウ)」は高尾山の標高599mにちなんだ。規模はRC一部S造2階建て延べ1441㎡。1階の「展示スペース」には、16台の展示台にジオラマや高尾山に生息する約130種類の植物や約200種類の昆虫などの標本を展示。「映像スペース」では、壁面に配した剥製に映像をプロジェクションし、高尾山の四季を伝える。カフェなど約50席の「くつろぎスペース」や、高尾山の起状を表現したキッズスペース、山歩きのマナーガイド映像なども備える。2階には、交流施設となる「市民ギャラリー」を配置している。また、敷地内には芝生広場やじゃぶじゃぶ池も整備した。

 プロジェクションマッピングを導入し、高尾山の四季を伝える
同市では、オープンに先駆け、7月31日に施設を報道機関に公開。産業振興部観光課の平本博美課長は「観光、学習、交流の機能を持った複合施設として、高尾の自然や歴史をとともに、八王子全体の魅力を発信していきたい」と話す。防災備蓄倉庫を設け、一時滞在などの防災機能も備えている。インバウンド対策として、外国語対応ができる職員の配置や、日本語、英語を始め、中国、韓国、フランス、タイ、スペインの計7カ国でのホームページを表記する。入館は無料。年間15万人の来館を目指している。

ジオラマや高尾山に生息する動植物の標本を16台のケースに展示
工事は、建築のほか、電気設備を金子電気商会(八王子市)、空調換気設備を新和(同)、給排水衛生設備を高橋設備工業所(同)、昇降機設備を中央エレベーター工業(台東区)、植栽を井上造園(八王子市)が施工した。運営管理(指定管理者)は、京王エージェンシーが行う。建設地は、京王線・高尾山口駅から約160mの同市高尾町2435-3。
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