2015/12/17

【ベントレー】次世紀への前進(3) 革新的BIMアプリ、リアリティモデリング…Advancingの時代へ


 20カ国から60組が参加した「2015 Be Inspired Awardsプログラム」では、ベントレーの「AECOsim Building Designer」の革新性が高く評価された。画像は設計例。

 AECOsim Building Designerは、建築家やエンジニアのための非常に強力なBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)アプリケーションで、どんな大きさ、形の建物でも視覚化でき、同社の基本CADであるマイクロステーションと組み合わせることで、威力を発揮する。
 米国のモーフォシス・アーキテクツは、AECOsim Building Designerをコーネル大学(ニューヨーク州イサカ)の「Bill & Melinda Gates Hall」プロジェクトに採用した。プロジェクトの設計全般で検証を繰り返すプロセスを採用した結果、コンサルタントとクライアントに設計の意図を効率的、効果的に伝えることができたとしている。統合的なアプローチにより、設計チームは建物の全体像をとらえ、初期の企画段階から施工管理に至るまで、同じ情報をプロジェクト内で共有することが可能になった。
 同社は「プロジェクトは非常に革新的で、受賞経験もあるが、この成功はベントレーのモデリングプラットフォームのおかげだ」としながら「プロジェクトすべての関係者が、正確で高度に相互運用できる開発と情報伝達のための環境が提供された」と高く評価した。
 また、AECOsim Building Designer以外でも、無人航空機(UAV)や有人飛行機にも活用できるリアリティモデリングソリューションが発表された。ことし1月、ベントレーはフランスのAcute3Dを買収し、スイスのライカジオシステムズがベントレーのAcute3Dリアリティモデリングソフトウエアの採用を決めている。ソフトウエアとハードウエアの先端技術を組み合わせることで、ユーザーは3D測量とマッピングの統合を最大限に活用できるようになる。
 ベントレーは、Be Inspired Awardsで、Acute3Dのソフトウエア技術による初の同社製品である「ContextCapture」製品を一般向けに発売することを発表した。

デジタルカメラで撮影した写真を使用して、既存の状態の高解像度の3Dモデルを簡単に作成できる

 ContextCaptureにより、デジタルカメラで撮影した写真を使用して、既存の状態の高解像度の3Dモデルを簡単に作成することができる。このソフトウエアは、参照した写真を取り込んだ詳細なリアリティメッシュが生成され、写真のように細部まで表現された幾何学的精度の高いナビゲーション可能な3Dモデルを生成することができる。詳細なモデルを都市規模にいたるまであらゆるサイズや解像度で生成できるだけでなく、生成速度も他の技術を使用した場合に比べて大幅に向上した。
 さらに同社は「グリッドコンピューティング」機能を利用してサイズが大きいモデル(通常は30ギガピクセルを超える画像を含む)の処理時間を劇的に短縮させることができる「ContextCapture Center」を一般公開することを発表した。
 今回のカンファレンスから、同社のロゴに添えられた副題を前回までのSustainingを改め「Advancing(前進)」と銘打った。未来に向けて同社の技術の前進を感じさせる3日間だった。
(おわり・川合秀也)
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