2015/12/16

【ベントレー】次世紀への前進(2) 「コネクト・エディション」のインパクト 既存ソフトの相互互換性が鍵に


 ベントレー・システムズは、 カンファレンス 「 Year  in  Infrastructure2015(YII2015)」の前日、プレス向けの説明会で、「CONNECT Edition(コネクト・エディション)」の具体的な内容を発表した。同社のコラボレーションソフトウエアであるプロジェクトワイズのコネクト・エディションをリリースしたのだ。

 コネクト・エディションとは、マイクロソフト社の提供するクラウド環境「Azure(アジュール)」を利用してソフトを使える環境だ。クラウドで利用できれば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末などの環境からもデータにアクセスできる。事務所内だけでなく、現場などでも同じ環境が実現できれば、プロジェクトの情報共有がスムーズになる。
 同社の上級副社長であるブッピンダ・シン氏は、「社内では、コネクトエディションの実用化で、西暦のBC(紀元前)、AD(紀元後)になぞらえて、BC(ビフォアー・コネクト)、AC(アフター・コネクト)と呼んでいる。デスクトップ端末とモバイル端末を状況によって使い分けられれば、建築、土木、プラントなど、どういったプロジェクトでも効率が上がる」と話している。
 同社は、基幹ソフトとしてプロジェクトワイズ、マイクロステーション、ナビゲーターの3つの製品を持つが、この3製品がコネクト対応となったことで、プロジェクトを包括的に共有できるようになる。
 正式リリースの前に早期導入したHatch Mott MacDonald社のプロジェクトテクノロジー担当ディレクターのコリー・ディポルド氏は「計画、設計、建設、そして運用までのデータの品質に焦点を当てながら、パートナーや遠隔地のチームメンバーを仮想的につなぐことが可能になった」と評価する。
 コネクト・エディションの開発に当たっては、これまでベントレー・システムズが重視していたソフトウエアの「インターオペラビリティ(相互互換性)」が大きく寄与した。多くの会社がかかわるプロジェクトにおいて、すべての会社が同じCAD製品などを使用しているケースは考えにくい。
 同社は、他社のデータとの相互互換性を重視したソフト開発を重視してきたため、今回のクラウド化へも柔軟に対応できたことを強調する。
 また今回のYII2015では、ソフトの購入方法にも新方式を導入すると発表した。これはソフトを永久ライセンスとして購入せずに、保守料だけで使用できるようにしたもので、導入企業の年間予算に合わせて計画的に購入できるプログラムだ。
 具体的には、予測される使用状況に応じて購入レベルを設定でき、実際に使用したサービスに対してのみ、四半期ごとに課金、支払った残高から代金が差し引かれる。購入残高には有効期限がなく、残高は繰り越される。使用しない期間中に残高が失効することもないという。
 CEO(最高経営責任者)のグレッグ・ベントレー氏は「費用については可視性と説明責任を最大限に高め、予算に関する不安やリスクをなくそうと考えている。顧客には最大限に活用してほしい」と、プログラムの狙いを語った。

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