東鉄工業が東日本旅客鉄道の小淵沢駅(山梨県北杜市)で施工している乗換こ線橋改良工事のうち、新設階段の架設が完了し、10月から使用を開始した。階段の新設作業は、列車運行終了後の深夜の限られた時間内で施工する必要があったため、駅前に作業ヤードを確保し、昼間に階段を組み立てて360tクレーンで架設した。
小淵沢駅は、平日でも多くの観光客が乗降する観光の要衝で、小海線と中央線の接続駅でもある。従来、小海線に乗る場合は、改札口から地下通路を通って中央線ホームに移動し、乗換こ線橋を経由してホームに降りていた。駅舎と乗換こ線橋を結び、エレベーターを設置することで、小海線ホームへのアクセスが改善され、バリアフリー化も実現する。
今回の工事では、2路線間を結ぶこ線橋に階段を新設後、既存の階段を撤去してエレベーターを設置する。駅舎とこ線橋を結ぶ新たな連絡通路も増設する。エレベーター塔屋と連絡通路の架設は2016年3月以降に予定している。
今後は駅舎の改良工事を予定しており、増設する通路と接続することで、駅舎から小海線への直通ルートが完成する。
工事を担当した東鉄工業の羽田太監理技術者は「列車やお客さまへの安全配慮のほか、作業の手続きや施工検討会などを通して、鉄道安全の重要性を再認識した。今後、エレベーター、連絡通路の架設を予定しており、最後まで気を緩めず無事故で完遂させたい」と抱負を語る。
水越一彦工事管理者は「ホームや線路上空の作業が多く、列車運行や乗客の安全を最優先して施工しているので、毎日が緊張の連続だ。階段新設の経験を生かし、次期のエレベーター新設、連絡通路の架設作業を無事故完遂し、利用者や発注者の期待に応えたい」と意気込みを示している。
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