神奈川県と箱根町は5日、国道1号箱根湯本道路施設重要文化財指定記念碑除幕式を開いた。同町に残る昭和初期の土木遺構「函嶺洞門」「千歳橋」「旭橋」が国の重要文化財に指定されたことから、これを周知し後世に継承するため、函嶺洞門バイパス駐車場に記念碑を建立し、観光資源や道路施設として末永く活用することを誓った=写真。
冒頭、山口昇士箱根町長は大勢の参加に感謝するとともに、町に残る数多くの史跡や温泉、美しい山並みを紹介し、「これらは未来の世代に確実に引き継ぐべき大切な資産だ。本日、後世に伝えるべき施設が新たに加わったことを記念し、ここに記念碑を建立する 」と述べた。続けて関係者の尽力に応えるため、「活気ある箱根町の姿を取り戻していきたい 」とあいさつした。
浅羽義里神奈川県県土整備局長は、関東大震災の復興事業としてつくった3施設の役割、昭和初期の土木技術を残す意義などを説明し、「現在、箱根町と築80年を経た函嶺洞門を観光資源として利用することを検討している。前後の橋は国道1号として活用している。毎年、箱根駅伝でも映るので、しっかり管理して末永く使っていきたい」と今後の活用を誓った。
式典には県議会の高橋延幸、守屋輝彦、小沢良央の3議員や沖津弘幸町議会議長、星崎雅司県西地域県政総合センター所長、熊沢一二小田原土木センター所長などが出席した。来賓を代表して高橋議員が祝辞を述べた後、来賓を紹介し、除幕した。県民交流事業として小田原土木センターの現地研修に参加した県民など約90人も加わり、除幕式に花を添えた。
函嶺洞門は1931年(昭和6年)に架設した。構造はRC造で橋長100.9m、幅6.3m。橋長25.5mの千歳橋は30年(同5年)、同38.5mの旭橋は33年(同8年)に架設した。ともにRC下路式タイドアーチ橋を採用した。3施設は箱根へのゲートとして位置付けられ、来訪する欧米人を意識し、中国の王宮をイメージしたデザインを使っている。
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