芸術文化創造センターを考える会(代表・大須真治中央大名誉教授)は、設計者の新居千秋氏(新居千秋都市建築設計代表取締役)を迎え、入札不調後の「芸術文化創造センター」を考える「設計者との意見交換会」を開いた=写真。会場の小田原市民センター(神奈川県小田原市)には市民や市会議員など100人近い人が参加した。同会は14日、「市民検討委員、専門委員、設計者等を一堂に会した対策会議の早期開催を求める要望書」を市に提出した。
同会は市が公表した「実施設計にとらわれない自由な発想による企業提案を軸に、整備の可能性を探っていく」とする今後の方針や3日に提出した公開質問書に対する回答の内容を提示し、この後、新居氏が設計着手から現在に至る経緯などを説明した。
質問書に対する回答では、「合理的な結論を導き出した」とする文章の中に具体的な中身が示されていないことや「要求水準書の作成は専門家の協力を仰ぐ」としているが、2年間にわたって検討してきた市民委員や設計者以上に内容を知る専門家がいるのかといった疑問が改めて示された。
新居氏は、敷地条件で生じるデザインの制約、屋根材の塩害への対応や室内への木材利用、バリアフリー対応など具体的な設計上や工事費縮減への課題を挙げた。さらに展示部門など大ホールと小ホールを除く、すべてを削り、PFIや設計・施工一括発注方式を採用しても市の積算まで下がらない試算結果を解説し、小ホールの建設を延期する「小ホール分割案」の実現や調達手法の変更などの具体策を示した。
この後の意見交換では、大ホールが小ホールの機能を補完する是非、小ホール分割案で建設できる根拠、積算システムの問題、市と設計者の協議内容など、さまざまな疑問や質問が交わされた。
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