東京急行電鉄など4社が出資する渋谷宮下町リアルティ(東京都渋谷区)は、「渋谷宮下町計画」として2017年春開業に向けて建設中の複合施設を構成する賃貸住宅をモデルにしたアイデアコンペを実施する。テーマは「住む渋谷のデザイン」。住戸内、共用部の空間について、暮らし方やコミュニティーの仕組みなどの運営についてアイデアを募り、具現化する住宅コンペ「リブシブ賞」を実施する。作品の提出期限は16年2月8日。審査結果は3月末に発表する。
同計画は、低層部に商業施設、高層部には事務所・賃貸住宅を配置するとともに、シェアオフィスを中心とするクリエーターの創造活動拠点などを設ける複合施設で、S一部RC・SRC造地下2階地上16階建て延べ約3万5000㎡の規模。このうち、賃貸住宅は都心のさまざまな居住スタイルの推進を目的とし、一部フロアに居住者の住戸内の専用スペースとは別に共用部「コモン」を計画。居住者は、そこに集い、交流することでつながりを育み、刺激を受けながら暮らすことができる。
コンペでは、同施設の13階をモデルに、▽創造性の発揮▽交流の誘発▽継承すべき居住者文化の考え方--の観点から提案を求める。
審査員は、建築家で首都大学東京助教の猪熊純氏、建築家で東大助教の成瀬友梨氏、日本設計の福田卓司専務執行役員、大成建設の河野晴彦常務執行役員設計本部長、渋谷宮下町リアルティ代表取締役を務める東急電鉄都市創造本部の西澤信二開発事業部統括部長など8人。
賞金は、最優秀賞50万円(1人)、デザイン賞20万円(同)、アイデア賞20万円(同)、入選(数人)10万円。
また、26日には「渋谷ヒカリエ」で「住む渋谷をデザインするワークショップ」を開催。コンペ参加者のアイデア想起を促すとともに、渋谷らしい多様な住居スタイルの具現化を目指す。
同計画は、東京都の「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)宮下町アパート跡地事業」で、事業対象地は渋谷区渋谷1-23-2。都が定期借地権(運営期間70年)を設定。東急電鉄を代表として、大成建設、サッポロ不動産開発、東急建設の4社が出資する渋谷宮下町リアルティが事業主体となり複合施設の建設にことし3月末から着手した。設計は日本設計・大成建設JVが担当し、大成建設・東急建設JVの施工で17年春開業を目指す。
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