A 10月11日に2016年度第2次補正予算が成立した。土木分野が中心となる「公共事業関係費」の規模は約1.4兆円。当初予算の前倒し発注によって、地方業界を中心に工事発注の息切れ感も指摘されていただけに、大型補正の執行に対する期待は大きい。
B この大型補正をきっかけに、国土交通省が直轄工事における下半期の発注方針を打ち出した。取り組みは多岐にわたるが、あえて大きなテーマで横串を刺すとすれば、「働き方改革」ということになると思う。生産性の向上や担い手の確保・育成といった建設産業界が力を入れて取り組んできた重点課題を包含した、受発注者双方の働き方の改善が、その取り組みの根底にはある。当然のことながら、i-Construction(アイ・コンストラクション)の推進も柱の1つになっている。
A 具体的に言うと。
B 補正予算の執行については「年度内発注」の原則化を打ち出している。年度内に発注することで例年、現場の稼働率が落ち込んでしまう年度当初の稼働率を上げることが眼目にある。
A 施工時期の平準化につなげようという狙いか。
C それだけではない。i-Conのトップランナー施策として、ことし4月にスタートしたICT(情報通信技術)土工の発注件数がどんどん増加。補正予算による積み増しを加えると約970件に拡大する見通しになっている。各地方整備局の積極的な取り組みもあって、年間1000件という大台に迫る勢いだ。
B 18日には、i-Conの推進を担う官民連携コンソーシアムの準備会が開かれた。今後、建設関連企業だけでなく、IoT(モノのインターネット)やロボット、AI(人工知能)の関連企業も参画して、建設現場の生産性を高める新技術の開発や蓄積する3次元データの活用方法などを検討していくことになる。異分野企業の参画によるイノベーションは、建設現場を舞台にした新たなビジネスを生むことになる。
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