2016/12/23

【CIM塾】“CIMマネージャー”を育てる! 新たな建設生産方式に推進役


 大阪大学大学院工学研究科の矢吹研究室が主催する『CIM塾』は、国土交通省はじめ公共事業で普及が進むCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)に精通し、プロジェクトを推進する“CIMマネージャー”というべき人材の育成に取り組んでいる。ソフトウェアの操作だけではなく講義を通じてCIMの原理や最新動向を学ぶのが特徴だ。矢吹信喜教授は「社内のCIM推進や発注者との協業を“草の根”的に広めてほしい」と塾生に期待を込める。

 国土交通省がi-Construction(アイ・コンストラクション)を開始し、2016年度中にCIM導入ガイドラインの策定を予定する中、CIM案件が今後さらに拡大することが予想されている。実案件でCIMが効果を発揮できるよう推進役となる人材を育成するため、CIM塾を8-12月の期間で阪大吹田キャンパスで開講した。
 矢吹教授は「CIMが本格化すれば受発注者はハード・ソフトに精通し、事業を進める必要がある。それを助ける“CIMマネージャー”という専門家の力が必要になる。そうした人材を育てたい」と意図を話す。
 CIM塾のカリキュラムで特に力を入れているのが、CIMという新たな建設生産方式を理解してもらうための講義だ。矢吹教授が3次元プロダクトモデルの成り立ちやIFC変換の仕組み、世界や国交省の動向などを直接講義するほか、GPS(全地球測位システム)などCIMに関連する技術を一般社団法人Civilユーザー会(東京都豊島区)の会員が解説する。

矢吹信喜教授(大阪大学大学院工学研究科)

 初年度となる今回は、団体、測量会社、建設コンサルタント、専門工事会社など各分野から約10人が参加し、全10回を開催。オートデスクの『Infraworks360』『Revit』 『Civil 3D』などを用いて基本操作を学習し、造成、高速道路、河川などの3次元モデルを作成した。矢吹研究室の学生がティーチングアシスタントになり塾生を支援したほか、日本建設情報総合センター(JACIC)とも連携した。
 卒業課題は、切り土、盛り土、トンネル、橋梁などの工区で構成する道路の3次元モデリングだ。モデル内を走行し、視距や勾配をドライバー目線で確認するほか、鳥瞰して周辺環境に与える道路の影響なども確認。バイパス出入口の交通量などもシミュレーションした。「数量単価を積算して価格を算出し、他ルートの比較設計も行う」など実戦的な内容となる。
 今回の取り組みをブラッシュアップした上で17年も開講する予定だ。
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