長野県は県内建設業、建設コンサルタント業界の将来を見据え、女性技術者の活躍推進や「担当した技術者の名前を刻もうプロジェクト」に力を注ぐ方針だ。
女性技術者の活躍推進では、▽週休2日を確保するモデル工事の拡大実施▽ノー残業デーの実施▽緊急時の主任技術者などの連絡員制度創設▽産休・育休期間に配慮した優良技術者表彰の加点期間(総合評価方式)の延長▽工事・委託業務の平準化対策▽女性の主任技術者、現場代理人を活用した工事で工事期間を通して課題に対するアンケートを行い、工事成績評点での加点を検討する--など多岐にわたる施策を展開する。
担当した技術者の名前を刻もうプロジェクトはブロンズプレートにその事業(おおむね5億円以上が目安)に携わった技術者の名前を刻み、その現場に掲げる取り組みで、技術者の意欲を引き出し、人材の確保や技術力の向上につなげる。このほか、観光資源や地域学習の教材などに土木構造物を活用する「土木のお宝」と題した取り組みも展開する。
これらの取り組みは10、11日に開かれた建設業や建設コンサルタント業の団体との意見交換会で周知した。
11日に開いた建設コンサルタント業関係5団体との意見交換会=写真=では、設計変更の指示に当たって概算金額の記載を行うことなどを盛り込んだ「設計変更ガイドライン」の策定(暫定版4月1日適用)や、失格基準価格の算定に使う値の上下限値を5%引き上げ、予定価格の85-90%に見直す測量・設計業務などの方針を伝えた。総合評価方式の技術者評価における産休・育休取得期間分の評価対象期間の延長( 4月1日以降入札公告案件)や災害時の緊急体制を整えている企業を評価する総合評価方式の業務委託試行拡大( 10月1日以降入札公告案件)なども説明した。
会議に出席した長野工業高等専門学校副校長の永藤壽宮環境都市工学科教授は「県の取り組みが、経営環境の改善や労働者の賃金アップにつながればいい」と期待を込めた。さらに同校にいるベトナムからの優秀な学生を例に留学生など外国人の活用を求めた。
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