2016/12/14

【JIA宮城】防潮堤、CLT、仙台城も! 建築家と市民つなぐ「アーキテクツウィーク16 」


 日本建築家協会東北支部宮城地域会(JIA宮城、安達揚一地域会長)主催のアーキテクツウィーク2016が7日から9日までの3日間、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開かれた。建築関係団体や教育機関、企業などと共同し、東日本大震災からの復興やまちづくりなどについて、建築家の観点から市民とともに考え、建築を身近に感じる多彩なイベントが繰り広げられた。写真は建築学生テクニカルセミナーの様子

 7日にイベントのスタートを切った賃貸マンションリノベーション設計競技公開審査・表彰式では、1次審査を通過した学生部門8作品、39歳以下限定の一般部門11作品の中から、学生部門が宮城学院女子大学の小野翠花さんら5人によるグループ、一般部門は構建築設計事務所の永野ますみさんの両最優秀を始めとする計6作品を入賞作に選定。同支部の担い手確保・育成に向けた取り組みと次世代を担う若手建築家の励みとなった。
 この後の市民講座「震災復興企画 防潮堤をみんなで考える16」では、鈴木弘二支部長がコーディネーター、星野明氏が司会を担当し、針生承一元東北支部長や阿部聡史ランドスケープデザイナーら6人をパネリストに迎え、復興事業で整備されている防潮堤に焦点を当てながら、それぞれの見解を示し合った。
 8日には宮城県CLT等普及推進協議会(会長・齋藤司県森林組合連合会会長)が、CLT(直交集成板)工法の先進地であるヨーロッパ視察や県内の普及活動の取り組みなどを報告した。CLT構造物建築モデル施設整備などに積極的に協力している同地域会も、国内先進地である高知県での視察内容を説明した。
 また、市民講座「仙台城ワークショップ仙台城をもっと知る」では、17年9月に仙台藩主・伊達政宗公生誕450年の節目を迎えることから、同市青葉区にある仙台城址を始めとする自然の景観と歴史を踏まえたまちづくりについて、建築家および学識者が学生や一般市民らと議論した。

『JIABOOK Miyagi vol3建築家のしごと』

 9日には『JIABOOK Miyagi vol3建築家のしごと』の発刊を発表。JIA宮城所属の24人の建築家が、日々考えていることや住まいづくりに対する思いなどをつづっている。
 席上、安達地域会長は「建築家がどんな仕事をしているか、一人ひとりの思想や取り組みを紹介している。一般の方々に建築家を理解してもらいたい」と説明した。今後、県内の自治体や団体を中心に2000部を配布する予定だ。
 出版を記念して行われた講演会では、建築家・森みわ氏(キーアーキテクツ代表取締役)が「空気をデザインするということ」と題し、パッシブハウスについて、設計事例を交えて解説した。
 JIA東北支部と日本建築学会東北支部建築デザイン教育部会(櫻井一弥部会長)は、建築学生テクニカルセミナー16を開き、同支部協力会会員企業が第20回JIA東北建築学生賞の入賞4作品を対象に、学生のアイデアを具体化させるための技術・材料の情報提供などを行った。
 このうち、山木兼さん(東北学院大学)は、出身小学校の改築を提案した特別賞の受賞作品「帯の学校」について、設計概要などを説明。これに対し、同支部協力会会員の三洋工業東北システムの高橋信氏が、床工事の視点から冷暖房効率に優れている床暖房ふく射システムなどを紹介した。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【郵政博物館】「逓信~郵政建築展」開催 吉田、小坂建築を紹介 13日から 郵政博物館は、13日から企画展「逓信~郵政建築展」を開催する。副題は「吉田鉄郎の作品に見るその源流と発展」で、大阪中央郵便局を設計した吉田、さらにその後継者で逓信ビルを設計した小坂秀雄に焦点をあて、戦後の近代建築の時代をつくった郵政建築の足跡を紹介する。  大阪中央郵便局設計図、吉田鉄郎スケッチ・著作・書簡、小坂秀雄スケッチ、東京中央郵便局関連資料、逓信ビル関係資料、東京逓信病院建築模型などが展示される。11月3日午後には観音克平氏によ… Read More
  • 【基礎地盤コンサル】創立61周年で九州支社が焼き肉パーティー!! 829(焼き肉の日) 基礎地盤コンサルタンツ九州支社(田上裕取締役支社長)は8月29日、九州支社敷地内で焼き肉の日にちなみ、創立記念焼き肉パーティーを開いた=写真。  田上支社長は、「会社は8月28日に創立61周年を迎えた。支社の歴史も古く、社屋を建て替えることにした。来年は新社屋で62周年を迎えることになる。地盤コンサルタントの老舗として社会貢献活動に積極的に取り組むなど、新たな気持ちでさらに会社を盛り上げていきたい」とあいさつした。 パーティーには社員のほか… Read More
  • 【見学ツアー】小4~中3のみんな!阪神高速&大阪港を見よう! 18日まで受付 阪神高速道路会社は開通50周年記念の一環として「阪神高速&大阪港・物流施設見学ツアー」を10月4日に開く。対象は小学4年生から中学3年生とその保護者。「関西のくらしをつなぐ阪神高速」をテーマに、阪神高速道路の建設工事現場と、大阪港の物流施設を見学する。参加は無料。18日までハガキで応募を受け付ける。  阪神高速道路6号大和川線の建設工事現場と、住友倉庫大阪支店南港東営業所のスポーツ用品配送センターを見て回る。募集人数は20組40人。ハガキに… Read More
  • 【夏休み特集】来年のご参考に…小学生が参加した建築・建設・土木のイベント 記事ご紹介!【9】 ■ハイウェイフェスタ親子連れなど5万人/東日本高速東北 東日本高速道路東北支社は23、24日の両日、仙台市中心部の勾当台公園で「ハイウェイフェスタとうほく2014」を開いた。子どもたちの夏休み最後の週末ということもあり、親子連れなど約5万人が来場した。  このイベントは、東北6県の高速道路沿線を中心に、それぞれの地域ならではのものをPRすることで、観光意欲を刺激し、地域間交流の活性化に貢献しようと開催している。 13回目となる今回は、「笑顔… Read More
  • 【スポーツの秋】コンクリートカヌー大会で石巻工高が2連覇、日本電設工業が野球大会初栄冠 土木学会関東支部(大嶋匡博支部長)は8月30日、埼玉県戸田市の荒川調節池「彩湖」で、土木を学ぶ学生を対象にした第20回(土木学会100周年記念杯)コンクリートカヌー大会を開いた。真夏の湖面を舞台に、コンクリートを使用した手作りのカヌーで学生が熱いレースを展開。全国から高校、高等専門学校、大学の計32校41チームがスピードとカヌーの製作技術を競い、宮城県立石巻工業高校の「Ishikou10」が総合優勝、同校が2連覇を達成した。写真は競い合う… Read More

0 コメント :

コメントを投稿