ミャンマーで日本式の建築技能者の育成がいよいよ始まる。5月から4回に分けて最大480人の技能者を育成し、現地ゼネコンに供給する。この事業は、国際協力機構(JICA)の「ミャンマー国建築技能訓練校設立運営及び技能認証制度の普及・実証事業」で、KNDコーポレーション(本社・埼玉県戸田市)がものつくり大学の協力を得てプロポーザル提案し、受託した。業務受託事業者のKNDコーポレーションは訓練校運営監理、ものつくり大学は訓練校運営企画コンサルタントと教育指導する。2016年12月から19年7月31日の契約期間で、建築技能者の育成と資格認証業務を行う。
技能者養成コースは、「RC型枠・鉄筋」「左官・レンガ」「建築大工」の3コース。受講生の定員は各コースとも40人。4カ月にわたる座学と実技を4回実施し、最大480人の技能者を養成し、ミャンマーのゼネコンに供給する。講習を実施する施設はヤンゴン市に建設されたミャンマー国建築技能訓練校「スキルズトレーニングセンター」。
また、技能者養成コースの実施に先立ち1月から施工管理マネジメントコースが始まっている。ミャンマーで同事業によって育成された人材を活用しようとする現地のゼネコンからの要望と、技能者育成コースがスタートする前に現地人講師を養成しておくのが狙い。日本のゼネコン5社の経験者が講師候補の4人を含む36人に2カ月指導する。
講習内容、修了試験の課題、講師の派遣などについては、日本型枠工事業協会、全国鉄筋工事業協会、日本左官業組合連合会、日本れんが協会の協力のもと進められている。ものつくり大学の三原斉教授は「特に安全教育に力を入れてやっていく」との方針を示し、講師陣も安全な工具の使い方など、まず安全作業を指導する考えだ。また、マネジメント・木造大工を担当する深井和宏教授は「木造建築になじみがないので、日本の木造建築の歴史や文化を紹介し、日本への興味を喚起するとともに、木造への理解を深めてもらいたい」と話す。
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