2017/02/27

【建築文化保存協会】みかんぐみ登場! 議論を重ねて4人が紡ぐ設計作法を紹介


 日本建築文化保存協会は22日、東京都品川区の寺田倉庫本社ビルで建築家ユニット、みかんぐみの加茂紀和子氏、曽我部昌史氏、竹内昌義氏、マニュエル・タルディッツ氏を招いて講演会を開いた。建築模型の価値と可能性を探る連続講演会の8回目となる今回は、「みかんの模型」をテーマに、未完に終わったプロジェクトの模型写真を通して、個性の異なる4人が議論を重ねながら、社会のさまざまな状況に真摯(しんし)に向き合う姿勢、その複雑さや多様性を包含しながらプログラムを紡ぎ出していく設計作法が示された。写真は左から加茂氏、竹内氏、曽我部氏、タルディッツ氏

 三宅理一藤女子大教授をナビゲーターとしたトークセッションでは、各自の出自や事務所を共同設立した経緯と事務所名の由来などを紹介した上で、これまで参加してきた設計コンペでの提案や実現に至らなかったプロジェクトを説明した。
 この中では「議論は何かを定義付けるためではなく、イメージを共有していくためであり、そこから飛躍しジャンプする瞬間がある。そこが面白い」(竹内氏)、「ネガティブなことを反転していく。複雑さを分かりやすく切り捨てるのではなく、複雑なまま、多様なまま、成立する建築を考えたい」(曽我部氏)といった設計に対するそれぞれの考え方や設計手法の一端を披露。最終的な形態より、その場で起きる「コト」を重視し、単に要求に応えることにとどまらず、その背景やさまざまな条件から派生する事柄を議論し整理した上で最適な解決法を探る、その設計アプローチは若い世代が多く詰めかけた会場の共感を誘っていた。
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