2017/02/02

【担い手】「遠足手伝い隊」で小・中学生に社会インフラの役割を紹介! 北陸担い手協が計画


 行政機関と建設産業団体、教育機関が三位一体となって建設業界の人材不足解消に取り組む「北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会」(座長・中神陽一北陸地方整備局長)の2016年度初会合が1月31日、新潟市内で開かれた。その中で、同協議会新潟県部会が17年度の活動予定を報告。小・中学生に社会インフラの役割をより身近に感じてもらうため、「遠足手伝い隊(仮称)」を計画していることを明らかにした=写真。

 遠足手伝い隊は、地域に根付き、住民生活を支える歴史的な道路、河川構造物などが県内に多く残ることから、遠足を計画する小・中学校にそれらを紹介し、目的地として設定してもらうのが狙い。
 新潟県部会では新潟県教育庁からの助言を踏まえ、各市町村教育委員会との調整や教諭向けの社会資本に関する説明会などを進める。
 具体的には、今夏をめどに遠足コースを盛り込んだリーフレットを作成する。その上で、教育委員会、教諭への説明、小・中学校への出前講座(事前学習)を実施する。合意が得られた学校から順次、遠足を支援する。
 会合ではこのほか、各県部会の16年度活動内容を共有した。新潟県部会は長岡工業高等専門学校のOB、OG紹介サイト、女性技術者による中学生向けの建設学習会、新潟県測量設計業協会が作成したパンフレットを報告した。
 富山県部会は富山県が取り組む就労環境改善(快適トイレの導入など)、人材教育、新分野進出に関する助成、工業系高校での出前講座、保護者との意見交換などを説明した。
 石川県部会は県内工高との意見交換、普通科の高校生を対象とした現場見学会、小学校での測量教室を紹介した。
 協議会全体の今年度の活動数は417件で、そのうち産学官連携の取り組みが4割に達した。園児、小・中学生、親子、建設系の学生、生徒に関する取り組みが大半を占める。17年度は建設系以外の学生、生徒にも目を向けながら、より効果的な活動を展開していく。
 参加者からは「離職防止対策が弱い」「出前講座の実効性を高める上で、子どもたちとの接し方を学ばなければならない」「学校側としては受け身から主体となるような取り組みが求められている」「建設産業のICT(情報通信技術)化に伴って、情報通信関連産業など他産業の技術者の入職も見込めるのでは」との意見が聞かれた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【建コン協】主役はわれわれ! 魅力ある業界とやりがい探る「若手技術者の会」伊藤昌明氏に聞く  建設コンサルタンツ協会(長谷川伸一会長)が昨年4月に設置した「業界展望を考える若手技術者の会」。同会の発起人であり、代表を務める伊藤昌明氏(オリエンタルコンサルタンツ統括本部人事企画室副室長)は、「今年度中に将来ビジョン案の策定を目指しているが、つくるだけでは意味がない。若手世代で共有をしたい。全国の若手技術者を集めた討論会を行いたい」と意気込む。伊藤代表にこれまでの活動や今後の取り組みなどを聞いた。 --若手技術者の会の発足の経緯を … Read More
  • 【推進協新潟】「担い手カレンダー」でイベントや記念日がわかりやすい!  産学官で構成する北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会の新潟県部会は、各種取り組みや活動を月日、地域別に分類した「担い手カレンダー」を作成した。  建設産業団体、教育機関、行政機関で実施している現場見学会などが一目で分かるようにまとめたもので、主催者だけでなく、イベントへの参加者などが計画を立てやすくするのが狙い。土木、建築に関連した週間や記念日、過去の大災害の発生日なども併記している。また、各種取り組み、活動が上・中・下越別に分かれて… Read More
  • 【東京道路清掃協】五輪おもてなしも災害復旧も 地域の“守り手”が支える道路ネットワーク  地域の守り手は、工事を主戦場とする建設企業だけではない。事故の原因にもなり得る落ち葉やごみを取り除く道路の清掃も“守り手”である建設企業の仕事だ。道路清掃は夜10時から朝6時までという夜間作業が基本となる。街が眠っている深夜帯だけに人目につくことは少ないが、経済活動の根幹である道路ネットワークはこの地道な仕事に支えられている。写真はロードスイーパーへの体験試乗に喜ぶ見学者  東京23区における都道を中心に道路清掃を担っているのが『東京… Read More
  • 【職人祭】宇都宮で「職人キッザニア」!? 児童に専門工事を熟練職人が指南!  栃木県内の専門工事会社13社などで共同企画した「職人祭」が28日、宇都宮市のオリオンスクエアで開かれた。親子連れが来場し、足場の組み立てや溶接、壁塗りなどを体験した。児童の多くは作業に興味深く取り組んだ。  ユウケイ工業(本社・宇都宮市、梅田賢一社長)などが中心となって実施、ことしで2回目となった。栃木県と宇都宮市も後援、「継続的に実施してほしい」といわれている。 スタッフ約50人が足場や倉庫、模擬屋根、板金などを持ち寄って、熟練職人が… Read More
  • 【神建協】7高校にヘルメット寄贈 現場見学会で活用を  神奈川県建設業協会(小俣務会長)は、神奈川県高等学校教科研究会工業部会建設工芸専門部(部長・笹原哲也藤沢工科高校校長)に生徒用の安全ヘルメットを寄贈した。23日に横浜市中区の神奈川県建設会館で、小俣会長が笹原部長に目録と安全ヘルメットを手渡し、学校での実習や現場見学会での活用に期待した。  贈呈後、笹原部長は多大な寄贈に感謝し、「現場見学会などで大切に使わせていただきたい」と礼を述べた。  今回の寄贈は、建設業福祉共済財団からの助成金… Read More

0 コメント :

コメントを投稿