行政機関と建設産業団体、教育機関が三位一体となって建設業界の人材不足解消に取り組む「北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会」(座長・中神陽一北陸地方整備局長)の2016年度初会合が1月31日、新潟市内で開かれた。その中で、同協議会新潟県部会が17年度の活動予定を報告。小・中学生に社会インフラの役割をより身近に感じてもらうため、「遠足手伝い隊(仮称)」を計画していることを明らかにした=写真。
遠足手伝い隊は、地域に根付き、住民生活を支える歴史的な道路、河川構造物などが県内に多く残ることから、遠足を計画する小・中学校にそれらを紹介し、目的地として設定してもらうのが狙い。
新潟県部会では新潟県教育庁からの助言を踏まえ、各市町村教育委員会との調整や教諭向けの社会資本に関する説明会などを進める。
具体的には、今夏をめどに遠足コースを盛り込んだリーフレットを作成する。その上で、教育委員会、教諭への説明、小・中学校への出前講座(事前学習)を実施する。合意が得られた学校から順次、遠足を支援する。
会合ではこのほか、各県部会の16年度活動内容を共有した。新潟県部会は長岡工業高等専門学校のOB、OG紹介サイト、女性技術者による中学生向けの建設学習会、新潟県測量設計業協会が作成したパンフレットを報告した。
富山県部会は富山県が取り組む就労環境改善(快適トイレの導入など)、人材教育、新分野進出に関する助成、工業系高校での出前講座、保護者との意見交換などを説明した。
石川県部会は県内工高との意見交換、普通科の高校生を対象とした現場見学会、小学校での測量教室を紹介した。
協議会全体の今年度の活動数は417件で、そのうち産学官連携の取り組みが4割に達した。園児、小・中学生、親子、建設系の学生、生徒に関する取り組みが大半を占める。17年度は建設系以外の学生、生徒にも目を向けながら、より効果的な活動を展開していく。
参加者からは「離職防止対策が弱い」「出前講座の実効性を高める上で、子どもたちとの接し方を学ばなければならない」「学校側としては受け身から主体となるような取り組みが求められている」「建設産業のICT(情報通信技術)化に伴って、情報通信関連産業など他産業の技術者の入職も見込めるのでは」との意見が聞かれた。
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