「人間と同じように、建築もDNAを引き継ぐことが大切だ」。東京電機大学の東京千住キャンパスで新校舎を設計した槇文彦氏=写真=は、第2期工事の竣工式でそう指摘した。第1期工事から引き続いての統括設計で、自身の設計思想を実現できたという。
重視したのは「地元住民が通り抜けるキャンパス」だ。近年流行する「シェアリングエコノミー」の先には「建築も空間をどうシェアするかが問われることになる」とし、大学関係者や地元住民が共生するキャンパスづくりを重要な「DNA」に位置付けた。
第1期工事で整備した広場では、学生だけでなく近隣住民が自由に時間を過ごす。「広い園庭のない保育所から子どもたちが遊びにやってくる。こうしたキャンパスは海外でも珍しい」という。第2期工事では保育所、学習塾、スポーツジム、子ども向け理科教室などを整備し、市民向けの機能はさらに充実した。「親子でここを楽しんでもらいたい」。槇氏のDNAは建築として受け継がれていく。
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