国土交通省と東日本、中日本の両高速道路会社は19日、東京外かく環状道路(関越~東名)の東名ジャンクション(JCT)側からのシールド機発進式を、東京都世田谷区の現地で開いた。石井啓一国交相、小池百合子東京都知事ら関係者約170人が参加。国内最大のシールドトンネル工事で、都内初の大深度地下を利用した大規模土木プロジェクトが本格始動した。写真は地下70mに設置されたシールド機
主催者を代表してあいさつした石井国交相は「このプロジェクトを通じて確立された技術が今後、わが国が進めている質の高いインフラの海外展開における国際競争力向上にもつながる」と期待感を示し、「環状道路としての機能を最大限発揮するよう湾岸部までつなぐ東名高速以南の計画の具体化も進める」考えを示した。
来賓として出席した小池知事は「世界の都市間競争が激しくなる中、東京は日本経済のエンジンとして競争に勝ち抜き、わが国の成長をけん引していかなければならない。首都圏交通の根幹を成す外環道の整備事業は、その中心となる取り組み」と述べ、外環道の早期完成を求めた。
発進式では、東日本高速道路会社の廣瀬博社長、中日本高速道路会社の宮池克人社長、鹿島の押味至一社長、大林組の大林剛郎会長ら工事関係者を始め、来賓として練馬区の前川燿男区長、杉並区の田中良区長、地元選出の衆参議員らが無事故・無災害を祈念しながらシールド機の発進スイッチを押した。また、それぞれ地下約70mに設置された東日本高速道路会社発注のシールド機は「みどりんぐ」、中日本高速道路会社発注が「がるるん」と名付けられた。
発進式 |
本線トンネル東名北工事は、中日本高速道路会社が発注の北行を大林組・西松建設・戸田建設・佐藤工業・錢高組JV(シールド機製作=三菱重工メカトロシステムズ)、東日本高速道路会社が発注の南行を鹿島・前田建設工業・三井住友建設・鉄建建設・西武建設JV(同=川崎重工業)が施工。それぞれ、外径16.1mで国内最大のシールド機が大深度地下を約9.1㎞掘り進む。1機当たりの掘進距離も国内最長となる。
東京外環(関越~東名)は、関越道大泉JCT(練馬区)から中央自動車道を経て、東名高速道路の東名JCT(世田谷区)を結ぶ約16.2㎞の高速道路。北行、南行の本線トンネル(直径15.8m、3車線)2本を、それぞれ大泉、東名両側からシールド機計4機で掘進し、井の頭通り付近(武蔵野市)の大深度地下で接合させる。 大井和憲所長(大林組)の話 「国家的な大プロジェクトで工期は長きに及ぶが、地道に地元の理解を得ながら、安全を重視して工事を進めていきたい。土や資材などの物流を円滑に進めることが工事の進捗の大きなポイントになる」
冨田慎二所長(鹿島)の話 「大きなプロジェクトなので、沿道や周辺の住民に理解を得ながら、日々の作業を確実に実施してきたい。最終的には与えられた距離を掘り終えるというのが1つの方針。発生残土と材料の供給を計画的に進めていく」
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