東鉄工業・鉄建建設・鹿島JVが、東日本旅客鉄道(JR東日本)の首都直下地震対策として御茶ノ水駅周辺で進めている切土耐震補強対策工事が最盛期を迎えている。施工は線路内からの作業のため、終電から始発までの約3時間で効率的な作業を進めている。工期は2015年3月27日から18年3月末の予定で、現在の進捗率は約30%となる。
「御茶ノ水駅付近防災対策その2工事」は昌平橋から水道橋間の約1.2㎞で、切土部分に鋼製の棒状補強アンカーを約1400本打ち込んで補強する。切土内に直径90-170mmで穿孔後、径19-32mm、平均長さ6mの鋼棒を斜め下方20度から30度で挿入し、周囲をセメントミルクで充填固定する。
アンカーは水平方向に1-2.5m間隔、高さ方向を1-4段に割り付け壁面と一体化させ補強効果を高める。仮設足場には東鉄工業とJRが共同開発した「リフトアップ台車」を活用し、短時間の作業を効率的かつ安全に進めている。
コゲラステーションによる工事 |
13年4月から同区間で進めている盛土耐震補強対策工事は17年3月に完了する見込み。固定式足場や同社開発の壁面自在移動足場「コゲラステーション」を導入し、切土補強と同様の工法で盛土部分にアンカーを約2300本打ち込んだ。現在は昼間に盛土補強の最終仕上げに取り組み、並行して深夜に切土補強を進めている。
現場4年目の御茶ノ水防災JV工事所の櫻井淳司副所長は「切土の補強対策は線路内からの作業で、施工条件も厳しく難易度が高い。盛土補強の経験を生かし、さらなる品質向上を目指して無事故で完遂したい」と意気込む。現場2年目の内倉義博工事管理者は「ダイヤが過密な線区で、かつ難易度の高い施工なので、安全で品質の良い工事成果を収めるため確実な工事監理に努めたい」と力を込める。
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