2016/08/21

【ゼネ女交流会】女性専用の休憩スペースに熱視線! 渋谷再開発現場を見学


 今月5日、「100年に一度」の大規模開発が進む東京・渋谷駅周辺の建設現場で、ゼネコン女性交流会の現場見学会が開かれた。女性活躍に向けて新たな取り組みが実施されていることなども知られている「渋谷駅南街区プロジェクト」などの現場を見学できるとあって、135人が参加した。

 ゼネコン女性交流会は年2回開催しており、参加企業が持ち回りで現場見学会と交流会を実施している。11回目となる今回は東急建設が幹事を務め、渋谷駅周辺の再開発現場を見学した。現場は渋谷駅南街区プロジェクト、渋谷駅東口基盤整備工事(第1工区)、銀座線渋谷駅改良工事、渋谷駅街区東棟新築工事の各現場と女性専用休憩スペースの「南街ステーション」。出発前には同社で休憩所の管理などを中心に活動する「南街こまち」のメンバーから、事業概要などの説明を受けた。

南街ステーション。施錠可能な個別ロッカーや全身鏡なども備えられている

 南街区プロジェクトの現場では、日ごろ現場で作業をしている参加者が多く、工法や材質、技術など専門的な質問が多く飛び出した。特に注目が集まったのは「南街ステーション」だ。東急建設が「価値ある場所の提供」をコンセプトに設置した女性専用の休憩スペースで、木製の家具やカラフルなクッションが置かれた2つの休憩室やトイレ、シャワールーム、パウダールームなどを完備している。休憩室の2階部分は土足で利用でき、3階部分は靴を脱いでくつろげる畳のスペースとなっており、キッチンなども利用できる。エアコンも完備したパウダーコーナーにはメイク直し用の道具やドライヤーのほかにも爪や指先を洗うブラシを設置するなど、建設現場特有の配慮もされている。「現場から清潔に身支度できる環境を整えることで、普通のOLのように仕事のあとのプライベート時間も活用できるように」と、立地環境を有効活用できるように配慮している。
 参加者からは「体調が悪くなった時などにもゆっくり休める」「仕事後に着替えて遊びに行けるのはうれしい」などの声があったほか、「緊急時などに子どもを連れてこられないか」と、さらなる活用に向けた意見も飛び出した。現在は躯体工事がメーンで女性作業員が少なく利用者は2、3人だが、内装や仕上工事などの過程に入ると、利用者も増加する予定だ。将来的には30人程度の利用を見込む。

出発前に概要説明などを受ける。見学会には135人が参加した

 渋谷駅南街区プロジェクトは、東横線と副都心線の相互直通運転で地下化した東横線の線路跡地などを対象に、オフィス、ホテル、商業施設などの複合4棟を建設する。総延べ床面積は約11万6322㎡。設計は東急設計コンサルタント、デザインアーキテクトは小嶋一浩+赤松佳珠子/シーラカンスアンドアソシエイツ、施工は東急建設・大林組JVが担当。2018年度の開業を目指す。
 渋谷駅街区東棟新築工事は、S・SRC造地下7階地上46階建て延べ約18万1000㎡。高さは渋谷エリア最高の約230mとなる。高層部にハイグレードオフィス、中低層部には世界から集客し街のにぎわいにつなげる大規模商業施設を設ける。設計は日建設計、東急設計コンサルタント、ジェイアール東日本建築設計事務所、メトロ開発で構成する渋谷駅周辺整備計画共同企業体が担当。日建設計、隈研吾建築都市設計事務所、SANAA事務所がデザインアーキテクトを務める。東急建設・大成建設JVが施工する。19年度の開業を予定している。
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