日本建設業連合会(中村満義会長)が夏休み特別企画の第2弾として2015年に引き続いて開いた、「けんせつ小町活躍現場見学会」が大盛況のうちに全行程を終えた。現場数を前年の14カ所から15カ所に拡大し、計240人の女子小中学生らが現場のスケールやものづくりの醍醐味を体感した。日建連は「参加した子どもからは『建設の仕事をやってみたい』という声も多く寄せられ、反応は上々だった」(広報部)と“未来のけんせつ小町”誕生に確かな手応えを実感。来年以降の継続的な開催に意欲を示している。
見学会は現場での女性活躍を女子小中学生とその保護者にアピールし、将来の就職先として建設業を選択する女性を増やすことを目的に15年に初めて実施した。ことしは7月21日から8月30日まで、全国15カ所で開いた。
15年の協力要請は、なでしこ工事チーム(現けんせつ小町工事チーム)の登録現場がある10社程度に限定していたが、ことしは広報委員会を構成する31社に要請を拡大し、約50現場から手が挙がった。「10以上の候補を出してくれたゼネコンもあった」(同)という。
現場は、未開催地域での開催を念頭に、地域バランスなどを考慮して決めた。
15年は東京、千葉、神奈川、埼玉、大阪、福岡の6都府県での開催だったが、ことしは、初開催の北海道、宮城、愛知、広島、長崎を含む9都道府県に開催地を拡大した。来年以降も、「未開催地域での実施を視野に現場を選定していきたい」(同)考えだ。
夏休みの自由研究の題材にもなるとあって見学会への関心度は高く、ことしの総参加者数は子ども240人、保護者174人の計417人で前年を上回った。東京や大阪では前年も参加したリピーターの姿が見られた。
ことしは単なる現場見学だけでなく、ものづくりの楽しさを実感してもらえるように、すべての現場で体験コーナーを設置したのも大きな特徴だった。
参加者は作業員が実際に使っている工具を駆使して、タイル張りや鉄筋組みなどにチャレンジした。
現場での質疑応答では、けんせつ小町に対して子どもから「どうすればお姉さんのようになれますか」など、建設業への就職に興味を示す質問も多く出された。一方、保護者からは、職場環境や結婚、出産後の働き方など、より現実的な質問が出される場面もあった。
ことしも前年同様、募集定員数を割り込む現場はゼロだった。中には申し込みが募集枠を超え、急きょ参加者数を増やした現場もあった。ただ、開催日が8月最終週の現場ではキャンセルも目立ったため、日建連は「最終週の開催を避けるなど、日程を考えていきたい」(同)と、来年に向けて構想を練り始めている。
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