2015/09/06

【グラフィソフト】平面→断面切り換え時間が6分の1に! 速さ求めた『ARCHICAD19』発売

「触った瞬間に、違いを感じてもらえるはず」。グラフィソフトの最新BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト『ARCHICAD19』を、日本法人グラフィソフトジャパンでプロダクトマーケティングプロダクトマネージャを務めるトロム・ペーテル氏は、そう力説する。

 最新版の開発コンセプトは「かつてない速さ」。建築プロジェクトへのBIM導入が加速する中、3次元モデルの精度も量も増大している。BIMベンダーにとってはソフトウエアのパフォーマンスが問われる時代が到来した。トロム氏は「頻繁に2次元と3次元を切り換えながら作業するのがBIMのワークフローだけに、ちょっとした画面の切り換えスピードの積み重ねが、最終的には大きな時間的な差を生む」と強調する。
 ARCHICAD19には、ユーザーの行動を予測しながら未使用のコンピューター能力を最大限に活用する「予測的バックグラウンド処理」技術を搭載した。図面切り替えを指示されてから、コンピューターが動き出すのではなく、あらかじめ切り替え準備の状態にコンピューターのコアを水面下で動かしておく処理手法で、特許も出願中だ。
 同社は最新版19と旧版18に同じBIMモデルを入れ、その操作スピードの違いを検証した。対象にしたのは数万㎡もの英国の大学病院プロジェクト。作業中に平面図から断面図に切り換える際のスピードは18が9.56秒かかったのに対し、19は1.50秒。断面図を3次元モデルに切り換えた際、18は2.16秒だったが、19はわずか0.08秒を実現した。

新規に追加された参照線とスナップ点を正確にガイドできる
パフォーマンスの向上には、ワークフロー(作業環境)を支える部分的な機能改善にもこだわり抜いた。戦略的パートナーシップを結ぶ日建設計からの意見も積極的に取り入れた。新規に追加された参照線とスナップ点が、正確な要素の作成、編集のために持続的なサポートを行うスナップガイド機能がその1つだ。近接する狭い構造でも寸法を読みやすくし、ラベル配置もより簡単にできるように工夫した。トロム氏は「一つひとつの機能改善は小さいが、ワークフロー全体で見れば大きな改善効果につながる」と説明する。

ラベル配置を改善
世界的なBIM導入の流れを背景に、グラフィソフトの売上高は20%の伸びを見せる。日本の2014年度業績は13年度比42%増と成長著しい。飯田貴プロダクトマーケティング部長は「09年からのユーザー数は5倍に増えている」と明かす。日本拠点は社内表彰も受けた。業績も“かつてない速さ”で上昇している。
 同社が2日に東京都内で開くARCHICAD19製品発表会には定員を上回る550人の申し込みがあり、参加を締め切った。ARCHICAD19は28日から発売される。
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