東北地方整備局が、東日本大震災の復興リーディングプロジェクトとして整備を進めている釜石花巻道路「釜石道路」の主要構造物となる定内(さだない)トンネルの掘削が16日、大林組の施工で本格的に始まった。2016年5月の貫通を目指す。
釜石道路は岩手県釜石市甲子町第13地割の(仮称)釜石ジャンクション(JCT)と同第7地割の(仮称)釜石西インターチェンジ(IC)を結ぶ長さ6㎞の自動車専用道路。起点の釜石JCTは復興道路に位置付けられた三陸沿岸道路に接続し、終点の釜石西ICは07年3月に供用した仙人峠道路にアクセスする。18年度の開通を予定している。
掘削を開始した定内トンネルは釜石道路唯一のトンネルで、長さ808m、幅12m、掘削断面は100-120㎡。遠野市側から釜石市側に向かってNATMで掘り進める。
遠野市側坑口で開いた安全祈願祭には、関係者約80人が出席した。同整備局の佐藤和徳南三陸国道事務所長や高槻幹雄大林組常務執行役員東北支店長、野田武則釜石市長ら14人で鍬(くわ)入れ=写真=をした後、代表者が神前に玉ぐしをささげ、工事の安全と早期完成を祈願した。
神事後、野田市長は「釜石道路や三陸沿岸道路の整備は、地域経済の活性化や当市の将来像に大きく影響する。一段のスピード感を持った整備に期待したい」と祝辞を述べた。
佐藤所長は「定内トンネルの掘削が始まったことにより、釜石道路の長さ100m以上の構造物がすべて着工となった。1日も早い開通に向けて努力したい」と語った。高槻支店長も「復興支援道路として重要な役割を担っている。1日も早く活気ある釜石を取り戻すため、われわれは誠心誠意、持てる技術を結集して工事に取り組む」と決意を表した。
永久和正所長(大林組)の話 「ズリの運搬を始めとする車両が国道を走行することになるので、一般の通行に支障が生じないように努める。安全第一に、高品質なトンネルを早期に完成させたい」
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