2016/08/13

【技術裏表】リオ五輪28の競技会場と周辺を彩る無機顔料 ランクセス(独)


 夏季リオ五輪では「選手と観客がわが社の無機顔料の上を歩いている」と強調するのはドイツ特殊化学品メーカーのランクセスで無機顔料ビジネスユニット責任者のヨーク・ヘルヴィッグ氏だ。28の競技会場やその周辺は同社が提供する黒色と赤色の顔料で着色されている。

 地元で「オリンピック・ウェイ」と呼ばれ、15競技会場を結ぶ大通りは黒色と淡灰色色のコンクリート敷石が目を引く。ここで使われた黒色酸化鉄顔料は2種類で40t以上が使われ、競技会場周辺地区や広場などでは20tを超える赤色顔料が採用され、選手村でも自転車道路用のマイクロアスファルトには赤色顔料が使われた。
 コンクリートに混ぜて着色する無機顔料は世界的な都市化の流れに後押しされ、マーケット販売シェア4割を誇る同社の事業業績は年率3%増で推移する。リオ五輪のように世界的なイベントでは関連施設への着色傾向が強い。既に同社は4年後の東京五輪に向けた製品販売の体制強化を進めている。
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