高砂熱学工業は粒径0.05mmという、きめ細かく滑らかな氷を作り出す海水シャーベットアイス製造装置「SIS-HF」を開発した。氷蓄熱空調システムのコア技術である空調用シャーベットアイス製造装置を応用し、約2年の開発期間を経て今春完成させた。水産加工流通事業者などへの販売を視野に、東京都江東区の東京ビッグサイトで17日開幕する「第18回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に初出展する。
SIS-HFは、省エネ性能の高い国内トップランナー機器を採用した冷凍機、製氷器、貯氷タンクで構成。冷凍機と熱交換器で冷却された過冷却状態の海水に、超音波で外部振動を与えシャーベットアイスを生成する。利用する海水は、常温のまま貯氷タンクにためられる。
最大の特徴は、最大でも粒径0.05mm程度と非常に小さい氷を生成できる点だ。従来のかき取り方式シャーベットアイスは0.5mm程度。きめ細かく滑らかな氷は、高密度で生鮮品全体を包み込め、傷もつけない。
また、従来方式は氷濃度30%程度が搬送の限界とされているが、粒径の小さいSIS-HFは氷濃度50%まで通常ポンプを用いた管搬送が可能。氷濃度が約2倍になることで、氷蔵保存時間も約2倍となり、物流範囲を拡大できる。
さらに、従来方式とは異なりスクレーパなどが必要ないため、システムの心臓部と言える製氷部のメンテナンスが不要なのも大きな特徴だ。
3月には第1号機を平戸魚市(長崎県平戸市)に納入。展示会ではこの実績を前面に打ち出しながら、機器説明や実機デモなどを行う。
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