日本構造家倶楽部(新谷眞人会長)は、第11回日本構造デザイン賞の受賞者を決めた。今回は10件の応募があり、日本構造デザイン賞には岡村仁氏+桐野康則氏(ともにKAP)の『静岡県草薙総合運動場体育館「このはなアリーナ」』=写真=と、ローラン・ネイ氏(ネイ&パートナーズ)の『三角港キャノピー』が選ばれた。また彦根茂氏(AruP)に「AruP・東京事務所代表としてトータルな構造デザインの実現に果たした永年の貢献」を評価し、日本構造デザイン賞松井源吾特別賞を授与することも決めた。
授賞式と受賞記念講演会は、9月2日に東京都品川区の東京デザインセンターガレリアホールで開く。
岡村仁氏 |
桐野康則氏 |
今回の選考委員は斎藤公男(委員長)、西沢立衛、赤松佳珠子、金田光弘、山田憲明の5氏が務めた。総合選評では、このはなアリーナについて、「日本構造デザイン賞としては初めてとなるユニットとしての連名受賞者が誕生した」とした上で、「木質構造の特性を把握し、免震構造として大空間を成立させるため構造設計者は設計から施工までさまざまな専門的エンジニアとの協働を構築し、統合へと導いている」と評価。
三角港キャノピー |
ローラン・ネイ氏 |
三角港キャノピーは、賞の前身となる松井源吾賞を含め海外在住者として6人目の受賞者であり、「ベルギー、ブリュッセルに本社があるネイ&パートナーズの設計プロセスの特徴は、通常の建築家と構造設計者との協働のかたちをとらない点である。自社で意匠から構造、設計から施工監理までを手掛けている」とした上で、「美しく合理的な技術解=かたちを、物語(ストーリー)を育みながら創出させるプロセス」が生み出す端正な空間への期待を寄せている。
松井源吾特別賞の彦根茂氏 |
彦根氏の代表作「中部国際空港旅客ターミナルビル」(2004年) 撮影:スタジオムライ |
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