2016/08/25

【東北地整】岩手・宮城・山形の3県の9ダム、台風9号で東京ドーム32個分を貯留


 東北地方整備局のダム管理事務所は、東北各地に大雨をもたらした台風9号に対するダムの治水効果をまとめた。岩手と宮城、山形の3県にある9ダムだけで東京ドーム約32個分の水を貯め込み、下流域の水位低減に寄与した。写真は四十四田ダム

 北上川ダム統合管理事務所(盛岡市)は、「北上川5大ダム」と呼ばれる四十四田、御所、田瀬、湯田、胆沢の5ダムについて貯め込んだ水の総量や下流域の水位低下想定値をまとめた。5ダムが貯めた水は2029万m3で、東京ドーム(124万m3)の約16個分に相当する。
 特に2013年11月に竣工した胆沢ダムは、全体の半数以上に当たる1079万m3、東京ドーム8.7個分の水を貯め込んだ。
 また、四十四田ダムは332万m3を貯め込んだことにより、盛岡市中心部の館坂橋地点の水位を75cm程度低下したと推定している。
 宮城では七ヶ宿(七ヶ宿町)と釜房(川崎町)の両ダムについて、それぞれの管理所が観測データを公表。七ヶ宿ダムへの最大流入量は管理史上5番目の毎秒416.2m3に達し、合計で約900万m3の水を貯め込んだ。東京ドーム約7個分に当たる。これにより、利水容量は100%回復した。
 釜房ダムは、流域平均累加雨量が111.8mmに達し、最大で毎秒389m3の流入量となった。東京ドーム約4個分の436万m3の水を貯留し、下流の名取橋観測所地点の水位を54cm低減したと見られる。
 山形では、最上川ダム統合管理事務所(西川町)が寒河江、白川両ダムの治水効果をまとめた。寒河江ダムへの最大流入量は毎秒約540m3、同ドーム4個分の約497万m3を貯留。下流の寒河江市西根地点の水位を約139cm下げたと推測される。白川ダムも約131万m3の水を貯め込み、飯豊町椿地点の水位を約31cm低減したとしている。
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