竹中工務店は、大阪ビジネスパーク地区(OBP、大阪市中央区)で実施した「新たなワークスタイルを促す空間デザイン」の実証実験結果をまとめた。オフィスワーカーの生産性向上に加え、建物のイメージアップやエネルギー削減といった効果が確認できたとしている。写真は分散型コミュニティスペースの屋外
実験対象は、OBPにあるテナントビル「クリスタルタワー」。同社独自の屋外スペース利用促進プロセス「ソトコミ」をベースに(1)省エネルギーで運用される分散型コミュニティスペース(2)ワーカーの移動を促す誘導システム(3)パーソナル環境制御システム――の3つの技術を導入した。
分散型では屋内外の空きスペースを使ってコミュニティスペースを構築。利用者アンケートの結果、約7割がビルのイメージや満足度が向上したと答え「オフィスビルの価値向上に寄与する可能性がある」としている。コミュニティスペースなどにセンサーを設置、スマートフォンと連動し利用状況が確認できる誘導システムの技術については、アンケートで約7割が利用を促す効果があると回答。パーソナル環境についても自席からコミュニティスペースに移動した際のエネルギー効果を算出すると45.3%削減できたとしている。
分散型コミュニティスペースの屋内 |
また知的生産性に関する実験(生産力テスト)で、会議室よりもコミュニティスペースでの成績が高くなる傾向を確認した。コミュニティスペース利用者に対するアンケートでも効果を実感するという回答が50%以上得られるなど、知的生産性の向上効果が期待できると結論づけた。
実証実験は同社を含むOBPの開発協議会(大阪ビジネスパーク協議会)が中心となり、13年度から進めてきた。
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