2016/08/10

【川田工業】復興の歩み、DVDに 石巻市の新北上大橋災害復旧工事を記録


 川田工業は、宮城県東部土木事務所が発注し、同社が施工を担当した新北上大橋災害復旧工事の記録DVDを作成した。写真は車両道開通式

 宮城県石巻市北上町を流れる北上川に架かる新北上大橋(長さ565.7m、幅10.2m、2+2+3径間下路式鋼トラス橋)は、東日本大震災に伴う津波で近隣にあった大川小学校とともに被災し、左岸側2径間が流出。地域の大動脈となっていた国道398号が寸断されたことにより、約23㎞の迂回走行を強いられ、救命活動や復興事業に著しい支障を与えた。
 DVDには、2014年6月の本格着工から、16年6月に開かれた車両道開通式までの復旧工事過程を収録している。県内沿岸部の自治体などに配布しており、地域に親しまれていたシンボル橋が復旧されていく姿から着実な復興の進捗を被災者らに伝えるとともに、東北のさらなる復興を後押しする。

開通した新北上大橋

 工事では、橋梁のプロフェッショナル集団である同社の寺島太郎作業所長による陣頭指揮のもと、落橋した2径間分の長さ155mを新設した。
 このうち、P1-P2間はクローラークレーンによる“ベント架設+横取降下工法”を採用し、通行止め期間を最小限に短縮した。このほか、残る既存5径間の支承補修や当て板補強、歩道部床版取り替えなどを実施した。
 寺島所長は「めずらしい工法を採用するため、着工時から記録していた。震災における象徴的な復旧工事の1つであり、復旧されていく橋の姿から、少しずつでも復興への歩みが進んでいることを多くの方に伝えることができればと考えている」とDVD制作への思いを話している。
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